詩集 挑め 防波堤 古平義雄

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1966年、思潮社から発行された古平義雄の第四詩集。1957年から1965年の間に創作された18篇。作者は1929年、浅草生れ。VOU、ATTACK等に所属。

 

 長い人生の間には、詩精神がやたらに燃えたり、やたらに冷えたり、いろいろな時期があってもよいのではないかと、今になっては私流に解釈してみたりしている。

 

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桜病院周辺 岬多可子詩集

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2006年、書肆山田から発行された岬多可子(1967~)の第三詩集。第37回高見順賞受賞。

 

書くという情念の持続こそが、詩人としての才能なのではないか、と思うことがあり、その情熱を手放しそうになる脆い自分を、諦めに近い気持ちで見つめるしかないこともしばしばでした。そんななかでも、ふたつの詩誌に細々とながらも関われたことは幸せでした。「ミニヨン・ビス」の林浩平さん、「螺蔓」の山口賀代子さん、おふたりの、まさに文字通りの〈叱咤激励〉がなければ、この詩集は生れませんでした。
(「あとがき」より)

 

目次

桜病院周辺、感情の砂礫を掬う
桜病院周辺、移季
 
硯の底
水の夜が揺れて
夜の膚
食卓の泥水
蜘蛛を潰す
移季
桜色など
夢の緑に降る雨
一月、深みへ深みへ

桜病院周辺、明るみ暗み
桜病院周辺、春

あとがき

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春の海のうた 山村暮鳥童謠童話集

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1941年、教文館から発行された山村暮鳥(1884~1924)の童謡童話集。編者は中柴光泰、装幀挿画は高瀬勝男。

 

 巻頭の「春ともなれば」は下のお嬢さんに書いていただいた。はるかな美しい追想である。標題の「春の海のうた」は童謡の一篇の名からとった。
 次に夫人のお調べによつて作品別を示すと、童謡に於ては、
一、未発表のもの、及び未発表と思はれるものが十七篇。このうち十三篇は無題。ここでは適宜に假題を附し、括弧を以って他と區別して置いた。
一、残りの二十八篇は雑誌所載のもの。このうちには誌名の不明のものも若干ある。発表年度は大正十年から十三年に至る間で、主たる雑誌は「少年倶楽部」「少女界」「金の船」「日本詩人」等である。
 童話に於ては、「一銭の幸福」が未発表と思はれるもので、「庭頭のこと」は大正十二年イデア書院のパンフレツトに、「一夜の宿」は大正十三年「金の船」に、「自分の馬鹿をさとれ」は同じく十三年「少年倶楽部」に載つたものである。
 以上童謡四十五篇、童話四篇、凡て既刊の著書には入つてゐない。

(編集後記より) 

目次

春ともなれば 山村千草

 

童謡
春の海のうた
麥搗き
(おちいさんてば)
雪虫の唄
(霰)

驟雨(にはかあめ)
(とんぼ)
おはじき
鈴蘭の唄
大寒小寒(おおさむこさむ)
木苺
渡り鳥
鯉のぼり
鼴鼠(もぐら)の唄
(つばめ)

星祭
海景(かいけい)
(裸んぼ)
鱸舟(すずきぶね)
天(そら)を眺めて
(蝶々よ蜻蛉よ)
萱草(かやぐさ)
西瓜畑
雪のあした
(どこかのをばさん)
雪の歌
影法師
指のうづまき
時雨
(からす)
山と山
椎の實
(ちゃうちん)
とらんぷ
冬の木木
初燕
落ち葉
麥の穂
冬のよあけ
千鳥
手ぶくろ
(鬼灯)
籾磨り

 

童話

一夜の宿
庭頭(にはさき)のこと
一銭の幸福
自分の馬鹿をさとれ

 

編集後記 中芝光泰

 


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母系の女たちへ ペッパーランド編

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1992年、現代企画室発行。秋山江都子、岡島弘子、前田ちよ子、山本楡美子、水野るり子の企画・編集。17人の女性詩人による詩とエッセイ。詩のテーマは各人の母親や祖母たちなどのことが中心。エッセイ集『母を語る二十三人の娘たち』の続編。「血縁という枠もこえて、私たちの人生や歴史の上での母親的役割を果たしてくれた女性たちにまで視野を広げたいと思いました」(あとがき)

 

目次(◇はエッセイ)

第一章 生命としての母

[小川アンナ]
にょしんらいはい
緑が重たくて
◇私の母

[岡島弘子]
いつか母にたずねたいこと
◇いつか母に尋ねたいこと

第二章 母を想う

[内山登美子]
喪服
夢の中で
◇解説にかえて

[こたきこなみ]
贈り物
◇辛うじて自適の日々

[武田隆子]
私のおばあちゃん
◇私のおばあちゃん

[堀内幸枝]
わが田園詩
おかあさん
◇わが母を語る

第三章 病床にある母へ

[水野るり子]
ひつじの星――病床の母に
◇別れの前に

[柳内やすこ]
愛のかたち
◇老人病院にて

[山本楡美子]
おばあさんの本
◇詩に添えて

第四章 別れ

[木川陽子]

◇「ノラ」も「久女」も知らず

[呉美代]
母は帰らない
◇母

[橋本福惠]
逝ったひとへ
◇母系歴

第五章 母そして私

[秋山江都子]
親不孝論
◇いつでも母親

[尾崎与里子]
京都の思い出
◇アマゾネス育ち

[小柳玲子]

◇女への悪意をこめて

[征矢泰子]
母の吃水
女の吃水――市川房枝さんに
二つの顔――吃水をこえて

[前田ちよ子]
〈MEMO〉――忘れないように主要な点だけを書いておくこと
◇マルタとマリア

 

あとがき

 

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詩人の夏 西脇順三郎と伊東静雄 城戸朱理

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1994年、矢立出版から菊地信義装丁シリーズの7冊目として発行された城戸朱理の講演録。1993年6月、立川市幸公民館の企画で行われた連続講演会の「夏」の部。「春」は秋山駿による「中原中也」、「秋」は正津勉による「秋のアンソロジー」、冬は川村湊による「北方の詩人たち」。本書はまた、西脇順三郎生誕百年記念として刊行された。吉増剛造の序詩あり。

 

 ……城戸は西脇順三郎伊東静雄という遠い二人の詩人を夏というキーワードで結ぶ講演を一冊にした。限られた時間の中で、二人の詩人に対して城戸の紹介は外壁からじわじわと内側に話をしぼって喋って行く、という並々ならぬ話術がくりひろげられちる、まさに城戸朱理の才智の大きさと緻密さであろう。
 伊東静雄を語るのに二人の人物を登場させている。一人はイタリアの十九世紀の最大のペシミストの詩人、ジャコミ・レオパルディ、もう独りはドイツの指揮者オットー・クレンペラーである。これらの二人の人物のエピソードを挙げつつ、伊東の詩の核の強さ、冷たい抒情を語っている個所があるが、聞く者に強い心象を与えたことは必至だったろう。
 また西脇順三郎については、有名な「天気」、「太陽」の例をイントロダクションにして、夏の話へと展開して行く。大体、西脇という人は一年のうちで夏の終りが一番好きだ、とよく口にしていたことを思い浮べる。いわゆる残暑のきびしい頃だ。そしてその頃散歩をすることをこの上なく愛していた……


(栞:藤富保男 二人の詩人を浮き彫りにする――城戸朱理の講演 より)

 

 

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凍えた耳 瀬沼孝彰詩集

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1996年、ふらんす堂から発行された瀬沼孝彰(1954~1996)の第三詩集。

ぼくらは日々、自分たちの生活の向こう側にあるマイナスの極を遮断されて生きている。ものの腐敗する形や匂いを遠避けられたままだ。しかし、人は光の中でのみ生きる訳ではない。闇が精神の深い安堵をもたらすことを忘れてはならないだろう。瀬沼さんの詩を読んでいくと、静かな安らぎが胸深くわきあがってくる。石の街のどこかを確かに流れている野性の水の音のように。
(帯文/八木幹夫)

目次


ホタル
朝の瞳
青空
ガリハナバチ
ぬかるみ
おはよう
ビルのうた
コンクリートの日々
犬のうた


ハエ
ドラッグ ロック シティ
ピョコンのおじさん
マネー
無力のかけら
ボーン・トゥ・ルーズ
水音


夜の風鈴
大西まいり
ゴースト
ジェノサイドの街


虫を見に行く
カチューシャ
ステップ
こうみいし

 

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すれちがい夫婦 獅子文六

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1959年、新潮から発行された獅子文六のユーモア小説。1957年に発行された『夫婦百景』の続編にあたる。装幀は三岸節子

 

目次

  • すれちがい夫婦
  • 竹とマロニエ
  • 因果応報
  • おいらん女中
  • ヒゲ男
  • 伯爵選手
  • 見物女中
  • 文六神曲
  • 歌舞
  • 金剛遍照
  • かれ毎日欲情す

 

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