2017-08-23から1日間の記事一覧

夢と幻想と出鱈目の生物学評論集 小笠原鳥類詩集

2015年2月、ポプルスから刊行された小笠原鳥類の第3詩集。装画は著者。装幀は白砂ユキ。 目次 おお、ペンギンが、南極と宇宙と湖を移動する ヘッセのヴァイオリンの詩を読み、鳥は木に蝟集する虫を喰う コマイの干物は宇宙から来た。ああ。 あらゆるデザイン…

一九七三年ある日ある時に 戸塚美波子詩集

1981年1月、総映出版から刊行された戸塚美波子(1947~)の第1詩集。画像は9月の増補改訂版。装画は戸塚隆利。 目次 鏡のなかのおまえ 生きるっていうこと そこに潮騒があった 私はアイヌだったのだ 血と涙の大地 笑いばなし 一九七三年ある日ある時に 一九…

新しき詩論 春山行夫

1940年3月、第一書房から刊行された春山行夫(1902~1994)の評論集。 ギリシヤの詩人達は一日の最初の時刻に起きた。用を足して祈りを捧げた。それから馬車に乗つて静かな場所を彷徨い、家にかへつて少し休憩した。食事をとるまえに油を塗つて身體を綺麗に…

ジャミラ祈念日 ウルトラ怪獣のためのレクイエム 松本賀久子詩集

2000年6月、風塵社から刊行された松本賀久子(1962~)の第3詩集。怪獣解説は原田実(1961~)。 目次 バルタンの星(バルタン星人) ジャミラ祈年日(ジャミラ) 271号(ダダ) ゲスラの海(ゲスラ) ピグモンは眠るか(ピグモン) レッドキング(レッドキ…

死と死のあいだ 黒田三郎

1979年3月、花神社から刊行された黒田三郎(1912~1980)の評論集。装画は伊谷知治。 「死と死の間」というのは、ひとりの人間が心の中で思っている死と、実際の死との間というほどのことである。つまり生、と言ってしまえば身も蓋もない。人生をこういうふ…

雪明りの路 伊藤整詩集

1926(大正15)年12月、百田宗治(1893~1955)の椎の木社から刊行された伊藤整(1905~1969)の第1詩集。画像は復刻版。 詩集を出すことなど考へもしなかつた私も、自分の為のこの小さな記念碑をたてる事になつた。考へてみれば十五六の年からもう七八年も…