2017-08-31から1日間の記事一覧

わが詩わが夢 長谷江児の霊に棒げる  坂本稔

1979年1月、泰樹社から刊行された坂本稔(1929~)の詩的自伝。 私も土佐に生まれ、そこに育ったが、いつか書いたように、幼い日の自分の目で見た風景を、追憶のなかで折ふし解読することだけが、故郷とのわずかなかかわりとして残っている。私も時あって土…

秘めたる戀 徳田秋聲

1918(大正7)年7月、新潮社から刊行された徳田秋聲の通俗小説。画像は19年4月の第4版。初出は「婦人公論」1917年7月~18年5月連載。 NDLで検索Amazonで検索日本の古本屋で検索ヤフオクで検索

平出隆詩集

1977年12月、思潮社から刊行された平出隆(1950~)の第2詩集。挿画は鈴木翁二(1949~)、装幀は菊地信義(1943~)。新鋭詩人シリーズ1。 逡巡ののちにしても、こうした変則的な形で集をまとめることに手を打ったのには理由があった。 昨年初め処女詩集『…

抒情歌 川端康成自選集

1934年、竹村書房から刊行された川端康成(1899~1972)の自選短編集。装幀は木村荘八(1893~1958)。 目次 抒情歌 浅草の姉妹 水仙 春景色 青い海黒い海 寝顔 伊豆の踊子 二十歳 十六歳の日記 書評等 川端康成「抒情歌」論 第1週(近研ブログ)川端康成「…

わが町 織田作之助

1943年4月、錦城出版社から刊行された織田作之助(1913~1947)の長編小説。装幀は田村孝之介(1903~1986)。 「わが町」といふ題名は作者にとつていささかの意味をもつてゐる。 わが町とはこの作品の主人公である佐渡島他吉が夢みて來たマニラのことには無…

霧の中 田宮虎彦

1948年6月、沙羅書房から刊行された田宮虎彦(1911~1988)の短編小説集。 目次 霧の中 三界 現身後生 江上の一族 此のひとすぢ かるたの記憶 山川草木 笹りんだう あとがき 書評等 田宮文学の真髄は「落城」と「霧の中」(古沢襄)田宮虎彦 「霧の中」(七…

魚介 林芙美子

1940年12月、改造社から刊行された林芙美子(1903~1951)の短編小説集。画像は41年1月の18版。装幀は佐野繁次郎(1900~1987)。 目次 魚介 運命 幸福の彼方 花庭 霙の駅 遠い朝 愛情 名流夫人 書評等「魚介」ちくま文庫『林芙美子集』(Every Day's Sunday…

村岡伊平治自伝

1960年12月、南方社から刊行された村岡伊平治(1867~1943)の自伝。村岡は女衒として知られる。 目次 第一編 南支時代 第一章 発端 第二章 香港 第三章 船員生活 第四章 天津 第五章 上海 第六章 厦門 第二編 シンガポール時代 第一章 生活安定の道 第二章 …

荘厳なる詩祭 死を賭けた青春の群像 松永伍一

1970年11月、田畑書店から復刊された松永伍一(1930~2008)の評論集。装幀は宇野亜喜良(1934~)。 ふりかえってみると、私にとっては詩について書くということは所詮詩人について書くということと同義であった、というふうに結論づげられる。そのよしあし…