2017-09-05から1日間の記事一覧

腐食と凍結 財部鳥子詩集

1968年8月、地球社から刊行された財部鳥子(1933~)の第2詩集。 私のイメージは凍った土の下に埋められている死んだ友人たち(子供たち)の単純なくり返しです。彼らは死ぬことで飢えと寒さと、疫病から逃がれましたが、残っている私をそこに閉じこめてしま…

辺境 秋谷豊詩集

1976年10月、地球社から刊行された秋谷豊(1922~2008)の詩集。扉絵は司修(1936~)、装幀は熊谷博人。 目次 I西方の塔 驢馬 春の嵐 絹の道 辺境 木の葉 砂漠の言葉 もしかある日 Ⅱ朝の手紙 馬の記憶 その瞬間 現代の薄明 唐詩選 世界は 秋篠寺 お母さん …

アケビの掌 川口敏男詩集

1962年7月、ネプチューンシリーズ刊行会から刊行された川口敏男(1910~1989)の第3詩集。写真は佐藤輝行、前川順三、デッサン、装幀は著者。 目次 詩とフオウトI 詩とフオウトII 砂の上 鳥 アケビの掌 石の花 青い庭 水の掌 二つの影 アケビの道 詩とデツサ…

朗読の日 夏目美知子詩集

2004年5月、編集工房ノアから刊行された夏目美知子(1948~)の第2詩集。装幀は林哲夫(1955~)。 目次 空の人 黄色い空缶 もみじ薬局 朗読の日 ふわっと 光るベンチ 六畳と二畳と小さなキッチン 花束の重さ 白いバンで Rという町 サブ 手触りの土手 桜 ひ…

中村正子の詩と人生 

2014年10月、澪標から刊行された中村正子(1928~1960)の詩集。編集は美濃部俊裕、苗村吉昭(1967~)、西島敏史、制作は中村正子顕彰会。 目次 はじめに(美濃部俊裕) 中村正子詩集「胸の底の川原で」全篇 笑顔の底で 胸の底の川原で 亡き母に 虐げられる…

幻歌 木澤豊詩集

2007年11月、草原詩社から刊行された木澤豊(1937~)の詩集。デザイン・レイアウトは岩佐純子。 目次 I サマルカンドの陽光 サマルカンドの陽光が 風の島 楼蘭行 墓地で 夢町に向かって 夢駅 Ⅱ ホオノキ幻歌 光のあとが消えて 耳の底に朧ろ月が 魚の魂を抱…

眩暈と夢幻 結城信一頌 矢部登

2011年5月に私家版として100部限定制作された矢部登のエッセイ集。函・表紙繪は一ニ明子、造本設計は龜鳴屋、本文組デザインは著者。 目次 肖像 たまふり ぎをん まぼろしの村 雨宿り たまふり 眩暈と夢幻 櫻のように 眩暈と夢幻 二つの庭 石榴抄 本と人と …

老残 宮地嘉六

1955年10月、中央公論社から刊行された宮地嘉六(1884~1958)の短編小説集。装幀は小穴隆一(1894~1966)。 この創作集に採録された作品の大半は未発表のものである。わたしは終戦このかた、発表の可能性があるなしにかかはらず、頼まれざる小説、随筆を書…

女のいる自画像 川崎長太郎

1957年2月、宝文館から刊行された川崎長太郎(1901~1985)の短編小説集。装幀は宮島美明(1913~1985)。 下手な鉄砲でも、数打ちや当たるというが、多くの作品の中から選んでみた「小説徳田秋声」外九篇が、果して作者の註文通り、見事まとを射ているかど…

残された空 生路洋子詩集

1974年1月、土曜美術社から刊行された生路洋子(1933~)の第4詩集。装幀は粟津潔(1929~2009)。 第四詩集の実現の期が訪れました。それは私がこの世に存在していることへの〈ひと時〉の地点を与えられたと感じさせてくれるものであるに過ぎないにせよやは…

生誕 吉田文憲詩集

2013年10月、思潮社から刊行された吉田文憲(1947~)の第11詩集。写真、装幀は一色織花。栞解説は岸田将幸(1979~)。第44回高見順賞受賞作。 目次 顕れ 消息 剥き出しの 振動尺――若林奮に 消点(「生誕」1) 生誕(「生誕」2) さまよう息(「生誕」3) …

薔薇の記憶 花潜幸詩集

2011年11月、土曜美術社出版販売から刊行された花潜幸(1950~)の第1詩集。 春の大きな震災の後、私はしばらく詩を書くことができなかった。一月ほどたって、ようやく気を取り直し、これkらはもっと人に伝えられるものを書こうと散文詩の形式を選んだ。こ…