2017-09-08から1日間の記事一覧
1984年8月、土佐出版制作室から刊行された片岡文雄(1933~2014)の第10詩集。装幀は著者、装画は片木太郎。 この詩集には前集『孤鶴図柄(こかくずえ)』以後のものをまとめた。六年ぶりの詩集である。もっとも、この間には『いごっそうの唄』と『はちきん…
1972年11月、冬樹社から刊行された清水昶(1940~2011)の評論集。装幀は三嶋典東(1948~2012)。 荒涼とゆうやけがながれている。濃霧で汚された東京で唯一残されている美しいものはこの荒涼たるゆうやけぐらいのものだろう。いままで首都にもゆうやけがあ…
1970年5月、詩学社から刊行された嵯峨信之(1902~1997)の第1詩集。1957年版の再刊。 目次 異邦の詩人Z氏の手紙 ノアの方舟 孤独者 心性 ノアの方舟 別離 イヴ以前の女 時 夜 火 死 声 ある島 洪水 寓話 小雀 利根川 愛の唄 エデンの妻 水辺 女を愛するとは…
1966年9月、思潮社から刊行された黒田三郎(1919~1980)による現代詩入門書。1961年版の改訂版。 現代はインスタント時代と言われる。何でも即席で間にあうものがはぶりをきかす時代である。「現代詩入門」というような書物も、インスタント・コーヒーなみ…
1980年1月、れんが書房新社から刊行された伊藤聚(1935~1999)の第4詩集。ブックデザインは宮園洋。 目次 航跡をながめて 猫印のサラダボール 調理場 くらい午後のパーティ ふたたびたび旅また旅 着地 海辺の家 春の見学コース 大きな看板 収穫期 ホワイト…
1916年1月、近代思想社から刊行された宮嶋資夫(1886~1951)の長編小説。装幀はアナキストの百瀬晋。1月5日に発売されて1月9日に発禁。序文は堺利彦(1871~1933)と大杉栄(1885~1923)。画像は復刻版(法政大学西田勝研究所/不二出版)。 序 去年の春頃…
1966年12月、思潮社から刊行された片岡文雄(1933~2014)の第4詩集。 ここに「地の表情」としてまとめた一本は、前集「眼の叫び」に続く、わたしの第四詩集をなすものである。 四たび詩集のたぐいをおおやけにする気持は、だめな生涯があるいはだめではない…
1954年1月、大日本雄辯会講談社から刊行された川崎長太郎(1901~1985)の短篇集。装幀は中島靖侃(1928~)。 目次 抹香町 抹香町 夜の家にて 無縁 流浪 鳳仙花 金魚草 淡雪 蜩(ひぐらし) 蔭草 隣人 ひかげ咲き 軍用人足 NDLで検索Amazonで検索日本の古本…
1981年8月、エコー企画から刊行された生路洋子(1933~)の第6詩集。 この一冊は一九七四年から一九八〇年までの作品から自選した第六詩集である せんじつめれば作者にとって詩を向け放つ対称者は自分でしかなく 無へのあらがいの果てに ひとつひとつ 作品に…
1981年7月、編集工房ノアから刊行された尾崎与里子(1946~)の第2詩集。カバー装画は木村茂。H氏賞候補作。 近江には、古い観音像が多く残されています。ときに湖北には、謎めいていると言われるほどたくさんの十一面観音像が、山間の村々の粗末なお堂に、…
1969年5月、津軽書房から刊行された根市良三(1914~1947)の遺稿集。根市は太宰治「思ひ出」私家本装画(1933)も手がけている。 亡き兄良三は私より二歳半上の次兄である。大正三年から昭和二十二年まで三十三年余りの短かい生涯であったが、その間熄むこ…
1959年12月、書肆ユリイカから刊行された石垣りん(1920~2004)の第1詩集。 こんどあることからたくさんの人のお世話になって、通常なら風呂敷か鰹節のひとつもくばつて祝いとするところなのですが、何かこう、私に似つかわしい気持のあらわしかたはないも…
『ブレーメンのわすれもの』は、2009年7月、よるひるプロから刊行された田中小実昌(1925~2000)の詩画集。絵は北村紀子。編集は須川善行、ブックデザインは吉田臣+R。『ブレーメンのおとしもの』は2009年7月、同じくよるひるプロから刊行された田中りえ(…