2018-01-11から1日間の記事一覧

琥珀の町 稲葉真弓

1991年2月、河出書房から刊行された稲葉真弓(1950~2014)の第2著作集。表題作は第104回芥川賞候補作。挿画は著者、装幀は菊地信義。 東京湾に近いが、決して新しいとは言えない街に住むようになって八年余……初めて埋立地や、湾岸の工場街にまぎれこんだと…

女たちの記憶 〈近代〉の解体と女性文学 岡野幸江

2008年4月、双文社出版から刊行された岡野幸江(1951~)の評論集。 目次 I もう一つの「近代」 「警八風」と酌婦たち――樋口一葉「にごりえ」の”こんな業体” 語りなおされる記憶――福田英子『妾の半生涯』と自由民権 新しい女・家からの逃走――『青鞜』の女性…

喫茶店にて 竹下彦一詩集

1968年4月、大地堂書店から刊行された竹下彦一の詩集。装幀は千野利雄。 目次 著者の像 サトウサンペイ 一月 二月 三月 四月 五月 六月 七月 八月 九月 十月 十一月 十二月 鐘の聴える喫茶店 口・=風の喫茶店 小さい幸福 十二月の夜 小さな喫茶店 街角の喫…

風の大きな耳 坂本つや子詩集

2005年7月、詩学社から刊行された坂本つや子(1926~)の第7詩集。著者自装。 刻(とき)を遡って書き継ぐ連作は、自分の消えない影を踏みしめるような心もとない日もあった。バージャー病で左脚膝下十ニセンチで切断、一足先に無縁塚へ。原因不明、治療法な…

惑星までの道程 宮内憲夫詩集

1994年10月、砂子屋書房から刊行された宮内憲夫(1940~)の詩集。装本は倉本修。 人間が、一番幸せな時代が、いきなり昔話に成る時こそ、一番不幸な時代ではなかろうか。不幸と百えば、現代詩の読者が詩人だけという昨今も、不幸な時代だと思わざるを得ない…