H氏賞受賞・候補

遅刻する時間 柴田三吉詩集

2004年12月、ジャンクション・ハーベストから刊行された柴田三吉(1952~)の第4詩集。著者は東京生まれ。第55回H氏賞、第7回小野十三郎賞候補作品。 目次 Ⅰ 遅刻する時間 草々しい 食卓 釣り人 そのひぐらし 幻灯 新月 冬の旋律 結晶 Ⅱ 存在の世話 通夜 痕…

ソールランドを素足の女が 仲地裕子詩集

1973年7月、思潮社から刊行された仲地裕子(1945~)の第1詩集。装幀は北小路均。第4回高見順賞候補作品、第24回H氏賞候補作品。現在の筆名は沖野裕美。 なかち・ゆうこ第一詩集は一九六九年夏に出版予定だった作品群に、新たに「わが島に関する異聞」と「遺…

here 宿久理花子詩集

2020年9月、七月堂から刊行された宿久理花子(1989~)の第2詩集。第71回H氏賞候補作品。著者は大阪府生まれ。 目次 シ、どこでも 地下 生活 こちらはもうすぐ よくある顔 ミスユーパンデミック 人騒がせな あぶない仕事 後日譚 アネクメーネ 丘 週末 春め…

高木護詩集

1974年1月、五月書房から刊行された高木護(1927~2019)の自選詩集。第25回H氏賞候補作品。 「猟」という表題の小詩集を出すつもりでいたら、五月書房主からここらで一線を引いてみたらどうかといわれた。多分足場をつくり、一からやりなおせということだろ…

キリンの洗濯 高階杞一詩集

1989年3月、あざみ書房から刊行された高階杞一(1951~)の第3詩集。装画は原律子。第40回H氏賞受賞作品。 目次 Ⅰ 象の鼻 長い物語 春 てこの原理 ぷかぷか つぶされて 破裂 ホッチキスがやってきて 三分間 SWEET MEMORIES 質問 ファンタジーの贈り物 秋深し…

他人の街 坂本つや子詩集

1997年11月、夢人館から刊行された坂本つや子(1926~)の第5詩集。第48回H氏賞候補作品。著者は東京生まれ、刊行時の住所は足立区西新井本町。 『黄土の風」『焦土の風』と書きついで今回『他人の街』を書き終わった。が、まだ完結ではない。ずいぶん、落と…

みちゆき 細田傳造詩集

2019年5月、書肆山田から刊行された細田傳造(1943~)の第5詩集。挿画は百田智行。第70回H氏賞候補作品。著者は東京都北区生まれ。 目次 けさらんぱさらん 実家 砂浜にて 鍵 すばらしい雲 こおろぎ 沼 閑話休題 嵐の後 フッサール 片目瞑って 鳥を撃つ 此れ…

谷間の百合 細田傳造詩集

2012年6月、書肆山田から刊行された細田傳造(1943~)の第1詩集。装画は森雅代。第18回中原中也賞受賞作品、第30回現代詩花椿賞候補作品、第63回H氏賞候補作品。著者は東京生まれ、刊行時の住所はさいたま市大宮区。目次 谷間の百合 オニヤンマ 岩根沢 五月…

狼・私たち 石川逸子詩集

1960年3月、飯塚書店から刊行された石川逸子(1933~)の第2詩集。第11回H氏賞受賞作品。カバー写真は清水俊彦。現代詩集第7。著者は東京都生まれ。 目次 Ⅰ 狼・私たち すべてのできごとを耳から耳に かたわの市 風景 戯れにわれ部屋をのぞきしかど Ⅱ 汚れた…

金田君の宝物 松岡政則詩集

2003年10月、書肆青樹社から刊行された松岡政則(1955~)の第3詩集。装画・装幀は丸地守。第54回H氏賞受賞作品。 言葉を押して押して押しまくってふっと止める。その時止めてもなお微かに動くものがある。或は抑えても抑えても指の間から(行間から)溢れ出て…

鳥 安水稔和詩集

1958年11月、くろおべす社から刊行された安水稔和(1931~)の第3詩集。第9回H氏賞候補作品。 目次 Ⅰ 鳥 鳥よ 井戸にはまった鳥 飛ぶ意志 君は鳥 鳥よ 鳥を葬る 五月の鳥 今撃とうとする鳥に 鳥の話 鳥 鳥 鳥 鳥 蜘蛛 蜘蛛 蜘蛛 蜘蛛 獣 魚をみた 魚 魚 魚 Ⅱ…

返禮 富岡多恵子詩集

1957年10月、山河出版社から刊行された富岡多恵子(1935~)の第1詩集。第8回H氏賞受賞作品。 富岡多惠子さんに、はじめてあったとき、きみの好きな詩人はだれときくと、彼女はたちどころにローレンスですとこたえた。ちょうどチャタレイ問題がやかましかっ…

大連 弓田弓子詩集

1988年12月、ワニ・プロダクションから刊行された弓田弓子の第11詩集。第39回H氏賞候補作品。第22回小熊秀雄受賞作品。 私が大連(現在の中華人民共和国大旅市)にいたのは、昭和十四年初夏から昭和二十二年一月迄でした。零歳から八歳の私の記憶は当時の身…

梁塵 永塚幸司詩集

1986年7月、紫陽社から刊行された永塚幸司(1955~1994)の詩集。第37回H氏賞受賞作品。 目次 献呈 追う音の夢 菜園と猫 みはるかす爆風 油を舐める犬 チャンネル アサガオ 鯨油 偏西風 発注 薔薇園会議 土壌 梁塵 音声記 睡蓮の苦しみ 腫脹 鐘 木星 怒張 四…

うしろめた屋 山田隆昭詩集

1996年6月、土曜美術出版販売から刊行された山田隆昭の第3詩集。第47回H氏賞受賞作品。 時間は万象のうえにひとしく刻まれているのだろうか。象と蟻の時間は違うのだという話を聞いた。生活上の必要から時間を摑まえ、人間は時計というものを作ってしまった…

東京午前三時 三木卓詩集

1966年12月、思潮社から刊行された三木卓の第1詩集。第17回H氏賞受賞作品。 目次 外国の話 白昼の劇 虐殺室 都市離脱 架空逮捕 若い思想 1958年級 青森県八戸 スープの煮えるまで 東京午前三時 冬至 支配の日々 夜の乳母車 奉仕日の感想 客人来たりぬ 平…

生物祭 荒川法勝詩集

1961年6月、自然社から刊行された荒川法勝(1921~1998)の第1詩集。装幀・題字は野長瀬正夫。第12回H氏賞候補作品。 私は太平洋にのぞむ東北の小都市宮古に生れた。生後まもなく、母はなくなり、僧侶であった父は修業のため東京へいっていた。もの心ついた…

猫談義 崔華國詩集

1984年9月、花神社から刊行された崔華國(1915~1997)の第2詩集。装幀は林立人。第35回H氏賞受賞作品。 日本語での第一詩集、『驢馬の鼻唄』(詩学社)以降四年間に、「詩学」の他、同人誌「四海」「風」「西毛文学」「東国」等に寄せた作品をまとめたのがこ…

よいこの願望 小坂厚子詩集

1989年3月、潮流出版社から刊行された小坂厚子の第1詩集。 目次 よいこの願望 ダウラギリの堤防 青山の人形姫 ぱいぱいのおくりもの ポットリ パッタリ ジャングル・ジム プール・サイドにて 洪水のあと 金魚の死 蜜蜂の葬式 そのとき たくさんたくさんのか…

ブルックリン 宋敏鎬詩集

1987年4月、青土社から刊行された宋敏鎬の題1詩集。第3回中原中也賞受賞、第48回H氏賞候補作品。写真は野上眞宏”NewYork-HolyCity”より。装幀は中山泰。 目次 ブルックリン 九月 ブルックリン橋 ブリザード 不能 味覚 通信員 処遇 氷点下 異人 老女 銃弾戦 …

銘度利加 十田撓子詩集

2017年11月、思潮社から刊行された十田撓子(1977~)の第1詩集。写真は片岡雪子、装幀は猿山修。付録栞は吉田文憲「来満街道を通う夢」、林浩平「郷里の亡霊たちへの祈り ハリストス正教の影で」。第68回H氏賞受賞作品。 目次 i 銘度利加 赤い花 殯 青の断…

果樹園 本田寿詩集

1991年5月、本多企画から刊行された本田寿の第5詩集。第42回H氏賞受賞作品。 一九八八年(昭・63)十二月十三日、父周市が延岡の自宅の庭で僅かな塵を焼却中、その火が着衣に燃え移って焼死した。 一九八九年(平・1)六月四日、兄利通が延岡の自宅近くの田圃に…

表札など 石垣りん

1968年12月、思潮社から刊行された石垣りんの第2詩集。装幀は吉岡実。第19回H氏賞受賞作品。 伊豆の五郎は私と同じ年のはとこ。四十を越して、遠くたずねてゆくとムスメが三人顔をそろえる。ひとり者だからと言って、私が何もこしらえないのは申しわけない。…

私の知らない歌 大木潤子詩集

2018年6月、思潮社から刊行された大木潤子の第4詩集。第69回H氏賞候補作品、第10回鮎川信夫賞候補作品。 目次 Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ NDLで検索Amazonで検索

傍らの男 高木敏次詩集

2010年7月、思潮社から刊行された高木敏次(1968~)の第1詩集。附録栞は井坂洋子「『私』との蜜月」。第61回H氏賞受賞作品。 目次 帰り道 その人 机 子供 男 露地 朝市 朝 道 一日 居場所 花びら 公園 猫 目の前 室内 荷物 監視員 蝶 旅館 市場 書評等 詩は…

グラフィティ 岡本啓詩集

2014年11月、思潮社から刊行された岡本啓の第1詩集。第65回H氏賞、第20回中原中也賞受賞作品。 目次 コンフュージョン・イズ・ネクスト 椅子 濃いピンク 8.28.1963 ペットボトル グラフィティ 腐葉土 三月 N・Dに 声 渚にて 赤い花 発声練習 NDLで検索Amazon…

紙の刃 菊池敏子詩集

1983年9月、紫陽社から刊行された菊池敏子(1936~)の第4詩集。第8回現代詩女流賞受賞、第34回H氏賞候補作品。 目次 Ⅰ 春の魚 藍を買う アイスキャンデー 柿をほめる 秋の酒 飾り包丁 自然薯の唄 でっかい唄。 夕餉 鮟鱇のうた 今日の買物 Ⅱ 紙の刃 壁 夜半…

袖口の動物 杉本真維子詩集

2007年10月、思潮社から刊行された杉本真維子(1973~)の第2詩集。装幀は芦澤泰偉。「新しい詩人⑨」。第58回H氏賞受賞作品。 目次 光の塔 笑う ジュウジキリ 坊主 身頃 皿 袖口の動物 他人の手鏡 航空写真 或る(声)の外出 果て かかとの厚み 真夏のゆき 貨…

誰? 木川陽子詩集

1993年11月、花神社から刊行された木川陽子(1929~)の第2詩集。第44回H氏賞候補作品。 せめて自分のことくらいはわかっていたいと思いました。 私が目覚めると素早く身を翻して去ってしまう夢の、わずかな痕跡を手がかりに、その全貌をもういちど引き寄せ…

場所 高良留美子詩集

1962年12月、思潮社から刊行された高良留美子(1932~)の第2詩集。装幀は粟津潔。第13回H氏賞受賞作品。 これらの詩、ことに最近二、三年のあいだに書いた詩に、直接的な感動を求めるひとは、あるいは失望するかもしれない。自分が物になる危険をおかして、…