1972年、彌生書房から発行された諏訪優の短篇集。
これまでにあちこちに書かせてもらった短篇を集め、その中の一篇の題をとって、『西風の幻の鳥よ』という書名にすることにした。
短篇小説というにはあまりにもちいさく、また、詩人のため息のようにはかないものばかりであろうと思う。それに、こうやって集めてみると、少年の日の追憶のようなものが圧倒的に多いことに自分でもおどろく。わたしの詩にしてもこれらの短篇にしても、原点はそのあたりにあるらしい。
今後もこの種の短篇をたくさん書きたいと考えている。
(「あとがき」より)
目次
- 西風の幻の鳥よ
- 壜の中の魚
- 少年と犬と犬殺し
- はじめてサーカスをみた夜
- ミミズクの夜
- 蛭
- 少年
- 花のある庭
- 幼年時代
- ギンヤンマを求めて
- つめたい雨の日
- 小さなケモノたち
- わかれ
- 夏の記憶
- 蝋燭の焔
- 紙の時計