1975年9月、無限から刊行された堀内幸枝(1920~)の第5詩集。表紙・扉は高原秋一郎。
これは昭和四十年から、五十年の間に書いた作品から選んだものです。
「第二村のアルバム」に入る部分は、別の機会に作りたいと、除いておきました。
子供の日よく遊んだ古里の土手、その向うに見えた太陽も、父母、弟と過した村暮らしの日々も、それ以後の自分の境遇の中で、たえずなつかしく思い出すのですが、ここに集めたものは、今、生きている私の地点に立って書いたものばかり――「不思議な時計」「夕焼けが落ちてこようと」と同じ内容のものを集めました。(「あとがき」より)
目次
夢の人に
- 初秋の白い花
- 私は赤い樹を見ました
- 小さな島
- 桜散る頃――夢の人に――
- 光と影の境で
- 少女の森
- 影絵の花
- 水の死とリズム
- かすかな歌声
- 井戸
晩夏
- 晩夏のあと
- 晩夏の薔薇
- 昼の夢
- 廃園の前で
- 秋の女
- ある秋の日の散歩
- 思い出
- 渓流のほとりで
- 小さな喫茶店で
夕日影
- 炎暑の別れ
- 舞台
- 夕日の中
- 数奇な運命の人
- 六月の雨
- 地上の花
- 緋桃
- 松林の中
- 地球異変
跋★怨念の詩人……嶋岡晨