夜間飛行 吉原幸子詩集

f:id:bookface:20170707071540j:plain

1978年5月、思潮社から刊行された吉原幸子(1932~2002)の第7詩集。

 

 飛行機を操縦できないから、私にとつて”夜間飛行”とは、むろん、”夢”のことである。
 昼は飛べない。夜も、あまり飛べなくなつた。だが、夢のなかのある部分には、かつて踏みきつたきり、まだ空中をさまよつてゐる足がある――死者たちと。
 白昼の、地上を歩く足と同じくらゐ、それを大事にしたいと思つてゐる。
 普通名詞だからと、あへてこのタイトルを冠せたが、同名のサン・テグジュペリの小説と、ゲランの香水と、どちらが連想され易いのだらうか。
 香水はごくたまにしか使はないけれど、私の嗅覚は、<夜間飛行(ヴォル・ド・ニュイ)>よりランヴァンの<私の罪(モン・ペシエ)>という名の匂ひを、若い頃から好んだ。(「NOTE」より)

 

目次

  • 夜間飛行
  • 鳥よ
  • 夜のとんねる
  • 雨なのに
  • 死ぬ海
  • 発光
  • ことばは……
  • 盲目
  • 花火
  • 青春
  • 挨拶

  • をとこ
  • をとこ
  • をんな
  • 猫二篇
  •  ゐない
  •  ゐる
  • 出会ひ
  • 念仏
  • 舞台装置
  • 選択
  • へんな夢
  • 黄昏
  • うた
  • 十一月
  • 慶州からソウルへ
  • 粉雪の街で

  • 鈍痛
  • さらば地球よ
  • 報告
  • 虚像
  • 日常
  • 血縁
  • ある通夜
  • あの朝のやうに

 

NDLで検索
Amazonで検索
日本の古本屋で検索
ヤフオクで検索