1983年7月、思潮社から刊行された菅谷規矩雄(1936~1989)の第13評論集。
本書の前半部は、「現代詩手帖」一九八二年一月号から十二月号まで連載された時評と、討論「詩はこれでいいのか」の前後に記した文章からなっている。時評の視点をどこに定めるかに迷った。詩の現状にたいして、わたしは〈不在〉なのだというおもいを、あえて定点としてたしかめること――つまりはそういう仕儀となった。(「あとがき」より)
目次
Ⅰ詩の現在
- 言葉は、今……。
- 非望のエートス
- 異語のはざまで
- 子宮――inside-out
- 悲歌に近づく
- 悲歌に近づく・続
- ことばなき声、声なきことば
- 戦後詩の帰結
- 形式あるいは「わたし」の不在
- たとえ話(パラブルの魔)
- ことばのゲーム――その「新しさ」について
- 課題としての〈詩の現在〉
- 不在に充ちみちた現在
Ⅱ声とメタファ
- 音声律から音数律へ
- メタファをめぐりめぐって
あとがき