1970年5月、イザラ書房から刊行された菅谷規矩雄(1936~1989)の第2評論集。装幀は黒沢充夫。
この一冊の構成について、いくらか附記しておきたい。同人誌《凶区》に《詩の原理あるいは埴谷雄高論》を書きはじめたモティーフのひとつは、萩原朔太郎から埴谷雄高への〈詩〉の脈絡をさぐりだそうとすることにあった。凶区の連載を中断したまま、ここに一冊の評論集をまとめることにしたのは、右のモティーフにもとづく作業にひとつの区切りをつけておきたいためである。したがってこの《無言の現在》は、なお書きつがれるべき《詩の原理……》の第一部であるとかんがえていただきたい。(「あとがき」より)
目次
Ⅰ 詩の終り
Ⅱ 萩原朔太郎批判
Ⅲ 口語・自由・詩
- i 口語・自由・詩
- ii 中原中也
- iii 抒情と擬ロマネスク
- iv ロマンティク断章
Ⅳ 埴谷雄高論――ロマネスクの反語
あとがき