2003年10月、思潮社から刊行された安藤元雄(1934~)の第11詩集。第42回藤村記念歴程賞、第19回詩歌文学館賞受賞作品。
詩の立ち上がる場所はこの世界の内か外かと問われたら、私としては後者だと答えたい。見かけはどんなにささやかな作品だろうと、詩は世界の内側に咲く花というよりも世界を外側から覗き込む眼として、世界と向き合い、世界と拮抗するものであってほしい。そうでなかった詩は、どれほど磨いても、世界を映す鏡などにはなれないだろう。(「あとがき」より)
目次
わがノルマンディー
- わがノルマンディー
- 夏の想い
- つぶて
- 墓標
- 秋は柿の実
- 大聖堂へ
- 白い蛾
- 聖女の首
- 越境
- 土饅頭――䧒西所見
- ベッティーナ あるいは別の方法
一輪車で遊ぶ少女
- 花
- 霜
- 日曜日
- 家々の屋根が……
- 手あぶり
- 引地川
- 石段道の眺め
- 一輪車で遊ぶ少女
- まごむすめ
むなしい塔
- 風のむこう
- むなしい塔――渋沢孝輔の思い出に
あとがき