1989年3月、詩学社から刊行された松下千里(1951~1988)の評論集。装幀は十河雅典「生成する『非在』――古井由吉をめぐって」が第27回群像新人賞評論優秀作受賞。
目次
Ⅰ
- 生成する「非在」――古井由吉をめぐって
- 密室の中の〈スペースシップ〉――村上春樹論
- 身体と闇――尾辻克彦論
- 空隙としての異性――富岡多恵子論
- 一隅の発見――河野多恵子論
- 冬の惑星として――増田みず子論
- テクストからの曲視――後藤明生『壁の中』
- 模型国家ゲーム――倉橋由美子『アマノン国往還記』
- 〈環境〉というまどろみ――金井美恵子『あかるい部屋のなかで』
- 民主主義文学の禁忌――江藤淳『批評と私』
Ⅱ
- 過去の発想〈若者コトバ〉
- 《凹型原理》と「女性言語」――宮迫千鶴『〈女性原理〉と写真』によって
- 手になる唄――岩田宏詩集『独裁』
- コトバの卵劇――吉岡実論
- アイスクリームから新しくなる――阿部恭久論
- META MIND――犬塚堯『折り折りの魔』
- 神話エネルギーの異相――粕谷栄市論
- 楕球の中点――清水哲男論