1971年9月、山梨シルクセンター出版部から刊行された谷川俊太郎(1931~)の詩集。装幀/挿画は南桂子(1911~2004)。
新聞、雑誌のもとめに応じて書いた作品と、作曲され、歌われることを前提にして書いた作品からえらんで、この本を編みました。しめきり日、行数、主題など、さまざまな制限のもとで書いたものがほとんどですが、そういう制限を、私はとりわけ苦痛とは思いませんでした。詩を書いて金をかせぐというこのひとつの行為も、私にとっては、現実から働きかけられ、現実へ働きかえすという、生のダイナミックスの一部です。(「あとがき」より)
目次
- 聞こえるか
- うつむく青年
- 幻の村
- 大きなクリスマスツリー
- 問い
- おべんとうの歌
- 新しい荒野
- 見る
- 平和
- 海
- みずうみ
- 王女のうた
- 荒野に去る
- 太子
- 横丁
- ピアノ
- みなもと
- 夕べ
五つの感情
- 後悔
- 羞恥
- 軽蔑
- 嫉妬
- 憐愍
東京バラード
- 十円玉
- 爆弾
- 遊覧飛行
- 彼の東京
- 小さな密室
- 離婚届
- ふたつの東京
- 雨よ降れ
- 新聞紙の空
- 十円玉がたったひとつ
- ひとりぼっち
- 歩くだけ
- 男の唄
- 父の唄
- 窓のとなりに
- ワクワク
- 虹
- そして日々が
- 木
- 生きる
あとがき