2000年2月、思潮社から刊行された安藤元雄(1934~)の第11詩集新装版。装幀は夫馬孝。
毎月一回で十三回という回数と、毎回五十五行前後という行数を与えられて、この連作ができた。小田久郎氏のおすすめと励ましによる。
この一年間、これまでひそかに自分の支えとしてきた詩人たちにあいついで先立たれながら、私は次第に退路を断たれて行く気分でこれを書き続けた。
所詮は大きなめぐりの輪から逃れられないと承知しながらも、その中でいささかでも普遍性のある詩を造形しようと試みること、それがこの連作を通しての私の課題だった。(「あとがき」より)
目次
- 1百年の帳尻
- 2冬の蛹
- 3血のしみた地
- 4ながらえる者の嘆き節
- 5庭のしずく
- 6飛ばない凧
- 7透明な犬
- 8必敗の野
- 9夏の終り
- 10干からびた星
- 11帰路
- 12田ごとの顔
- 13千年の帳尻