1930年、改造社から刊行された藤沢桓夫(1904~1989)の第2著作集。新鋭文學叢書第19編。
ここに収めた十七篇の小説を書いた頃、僕は十人ばかりの仲間と「辻馬車」と言ふ同人雑誌に據つてゐました。僕は、この本に「辻馬車時代」と言ふ題名を選び、この本を、「辻馬車時代」からの僕のよき友人たちに、そして、その頃から僕の書くものを愛し僕とともに變化して今もなほ僕の書くものを愛してくれてゐる人たちにおくります。(「序」より)
目次
序
- 首
- 明日
- ミンナの戀
- 苺と靑年との季節
- 動物園漫畫
- 冬の花
- 靑い決鬪
- 靑
- 女と體操
- パコツト博士
- 氣紛れな馬
- 墓のなかの戀人
- 獵銃のある構圖
- 公衆電話の奇蹟
- パラソルに奪はれた男
- 冬の切線
- 結婚の花