『尾形亀之助全集』増補改訂版

f:id:bookface:20170911204535j:plainf:id:bookface:20170911204551j:plain

 1999年12月、思潮社から刊行された尾形亀之助(1900~1942)全集。編者は秋元潔(1937~2008)。

 

 『尾形亀之助全集』(思潮社・一九七〇)はいま入手困難な状態にあります。三十年ぶりに増補改訂のこの全集は、詩(既刊三詩集と拾遺詩篇)、物語(夢譚・映画シナリオ・戯曲・小品)、評論(映画評・詩集評・詩評・雑感・エッセイ)、短歌・俳句、および付録で成り、明快な編集を旨とし、先の全集刊行後に発見した作品を増補しました。
 作品は生きもの。作品主体に読まれることが望ましく、編註・年譜・解説を簡略にし、作品は発表年月順に配列しました。尾形作品は(本人が表記に無頓着だったようで)表記に乱れが目立ち、編集者・校正者泣かせです。先の全集は戦前の慣用表記(旧文法)基準に従い、「ママ」を送りましたが、この全集は「ママ」をへらし、尾形特有の表記――文体をいかすよう配慮しました。
(「あとがき/秋元潔」より)


目次

色ガラスの街

  • 序の一 りんてん機とアルコポン
  • 序の二 煙草は私の旅びとである
  • 八角時計
  • 明るい夜
  • 散歩
  • 音のしない昼の風景
  • 十二月の無題詩
  • 題のない詩
  • 夜の庭へ墜ちた煙草の吸ひがら
  • 昼の部屋
  • 夜半 私は眼さめてゐる
  • 煙草
  • 昼ちよつと前です
  • 病気
  • 寂しすぎる
  • 猫の眼月
  • 隣の死にそうな老人
  • ある来訪者への接待
  • 一本の桔梗を見る
  • 昼の雨
  • 曇天
  • 月が落ちてゆく
  • 彼は待つてゐる
  • 螻蛄(おけら)が這入つて来た
  • 天国は高い
  • 私 私はそのとき朝の紅茶を飲んでゐた
  • 私は待つ時間の中に這入つてゐる
  • 春の街の飾窓
  • 犬の影が私の心に写つてゐる
  • 五月の花婿
  • 無題詩
  • 十二月の路
  • 五月
  • 無題詩
  • 美しい娘の白歯
  • 今日は針の気げんがわるい
  • 女の顔は大きい
  • とぎれた夢の前に立ちどまる
  • 二人の詩
  • 顔が
  • 或る話
  • 雨降り
  • 秋の日は静か
  • 夕暮に立つ二人の幼い女の子の話を聞く
  • 一日
  • 白い手
  • 十一月の晴れた十一時頃
  • ある男の日記
  • 昼 床にゐる
  • 無題詩
  • 四月の原に私は来てゐる
  • 日向の男
  • 昼の部屋
  • 月を見て坂を登る
  • ハンカチから卵を出します
  • 商に就いての答
  • 無題詩
  • 無題詩
  • 黄色の夢の話
  • 七月
  • うす曇る日
  • 十一月の私の眼
  • 少女
  • 彼の居ない部屋
  • 旅に出たい
  • 美くしい街
  • 無題詩
  • たひらな壁
  • 或る少女に
  • 七月の 朝の
  • 小石川の風景詩
  • あいさつ
  • 風のない日です
  • 女が眠つてゐる
  • 昼のコツクさん
  • 無題詩
  • 夕暮れに温くむ心
  • 風邪きみです
  • 白い路
  • 不幸な夢
  • 東雲(しののめ)
  • ある昼の話
  • 夜の花をもつ少女と私
  • 九月の詩
  • 黄色の袋の中
  • 雨 雨
  • 年のくれの街
  • 情慾
  • 毎夜月が出た

雨になる朝

  • 序 二月
  • 序 冬日
  • 十一月の街
  • 雨になる朝
  • 坐つて見てゐる
  • 落日
  • 昼寝が夢を置いていつた
  • 小さな庭
  • 初夏一週間(恋愛後記)
  • 原の端の路
  • 十二月の昼
  • 親と子
  • 夜 疲れてゐる晩春
  • かなしめる五月
  • 無聊な春
  • 日一日とはなんであるのか
  • 郊外住居
  • 白に就て
  • 白(仮題)
  • 雨日
  • 暮春
  • 秋日
  • 初冬の日
  • 恋愛後記
  • いつまでも寝ずにゐると朝になる
  • 初夏無題
  • 曇る
  • 夜の部屋
  • 眼が見えない
  • 昼の街は大きすぎる
  • 十一月の電話
  • 十二月
  • 十二月
  • 夜の向ふに広い海のある夢を見た
  • 窓の人
  • お可笑しな春
  • 愚かなる秋
  • 秋色
  • 幻影
  • 雨の祭日
  • 夜がさみしい
  • 雨が降る
  • 後記

障子のある家

  • 自序
  • 三月の日
  • 五月
  • 秋冷
  • ひよつとこ面
  • 詩人の骨
  • 年越酒
  • 第一課 貧乏
  • へんな季節
  • 学識
  • おまけ 滑稽無声映画「形のない国」の梗概
  • 後記 泉ちゃんと猟坊へ
  • 後記 父と母へ


拾遺詩 初期1919―1924

  • POWER
  • 若いふたりもの
  • 春のある日
  • 題のない詩
  • 一ぽんのやぐるま草
  • 無題
  • さびしい路
  • 初秋
  • カフェーの一ところ
  • 嵐のばあさん
  • 颱風の日
  • 酒場から
  • 酒場
  • 無題

拾遺詩 中期1926―1928

  • 七月
  • 蛙が鳴くので月の出がおそい
  • 愚かしき月日
  • 馬鹿息子
  • 西風
  • さびしい夕焼の饗応
  • 出してみたい手紙(1)
  • 出してみたい手紙(2)
  • 九月の半日
  • 顔がない
  • 大人さへ子供じみる
  • 初秋
  • 夜店
  • PAPAとその娘
  • 火鉢のある部屋
  • 雨降る夜
  • 蜜柑
  • 青柿の秋
  • 幼年
  • 泣いてゐる秋
  • 街風
  • 月夜の電車
  • 煙突と十二月の昼
  • 蜜柑
  • 美しい街
  • 眠つてゐるうちに夜になつてゐた
  • 羽子板
  • 毒薬
  • ガラス窓の部屋
  • 十二月
  • 花(仮題)
  • 曇天の停車場
  • 夜は凍える
  • 平らな街
  • 寝床と冬
  • 冬日
  • 落日
  • 夜が重い
  • 越年
  • 二月失題
  • 受胎
  • 十一月
  • 夜の部屋
  • 冬無題
  • 暗がりの中
  • 春が来る
  • 曇天の三月
  • 街へ行く電車
  • 蚊帳の中
  • ビスケツト
  • 秋、電燈
  • 森の中・女・夏草
  • 松の木の憂鬱
  • 夜店
  • 恋愛後記
  • 春は窓いつぱい
  • 煙草と花
  • 風の中
  • 梅雨の中

拾遺詩 後期1929―1942

  • 五百七十九番地
  • 暗夜行進
  • 無形国へ
  • 辻は天狗となり、善助は堀へ墜ちて死んだ 私は汽車に乗つて郷里の家へ帰つてゐる
  • 足のない馬
  • 迎春失題
  • 庭園設計図案(或る忘備帖)
  • 又は三角形の歴史――クレオパトラ
  • 風邪
  • 浅冬
  • 雨ニヌレタ黄色
  • 大キナ戦(1 蝿と角笛)

評論(映画評・詩集評・詩評/雑感・エッセイ)1922―1939

  • 其の夜の印象
  • 洋画展覧会の記
  • 旅をしたあと
  • 詩集「兵隊」のラッパ
  • 飲酒
  • 牛乳屋の煙突と風呂屋の煙突
  • 西暦一九二七年
  • 詩集「半分開いた窓」私評

物語(夢譚・無声映画シナリオ・戯曲・小品)1926―1930

  • 白い昼の狐
  • 影を
  • 朝馬鹿
  • 悪い夢 或ひは「初夏の憂鬱
  • 彼等の喧嘩(一幕)
  • 青狐の夢
  • 犬の化けもの、躑躅、雀、燕
  • 電車の中で
  • こけし人形
  • 月と手紙
  • 口笛の結婚マーチ
  • B
  • 硝子戸に虻がとまつてゐた
  • アラン酒
  • R氏のノート
  • 地球はいたつて平べつたいのでした
  • カルルス煎餅

短歌、俳句

  • 日にのぼる
  • 春の夢
  • 花日記
  • ふたつの命
  • 平和のまつりに
  • 弦土第二回歌会詠草
  • 鯉ぬすみ
  • 拾遺
  • 枇杷の果

補遺、資料、年譜
(補遺)

  • 十一月の午後(詩)
  • 昼の花
  • 冬日
  • 北海道の旅(小説)
  • 「検温器と花」私評(評論)
  • 詩集「鶴」を評す

(資料)

  • 仙台市役所へ提出の履歴書三通
  • 「月曜」目次目録
  • 全詩人聯合 資料一覧
  • 『雨になる朝』異稿対照表
  • 『障子のある家』異稿対照表
  • 尾形亀之助書簡
  • 編註

(年譜他)

あとがき

 

NDLで検索
Amazonで検索
日本の古本屋で検索
ヤフオクで検索