1961年3月、創文社から刊行された結城信一(1916~1984)の短編集。装幀は大谷一良(1933~2014)。
昨年私は、生來の病弱のところへ、惡質の胃病に惱まされ、一年餘りといふもの、ほとんど何も出來ませんでした。そればかりでなく、今になつて苦しいことは、逆に、自分の内部で育ててきた大事な幾つかのものが、齒が落ちたやうに失はれてしまつたことです。これから取戻すことの出來るものもありませうが、再び戻つては來ないものもあるやうな氣がします。これは時間といふものの冷酷で嚴しい試煉とでも言へるかも知れません。(「あとがき」より)
目次
- 山吹
- 鶴の書
- 炎晝
- ともしび
- 黄落
あとがき
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