1993年11月、エディション・カイエから刊行された尾崎美紀(1948~)の第1詩集。装幀は三嶋典東(1948~2012)、附録栞は「夢のうちがわ」(清水昶)。
フォークの父ウディ・ガスリーがホーボーだったのは周知だが、ムーミン・トロールの親友スナフキンも考えてみればホーボーである。
『ムーミン』に登場する数あるキャラクターの中で、私の贔屓はやせっぽちのスナフキンなのだが、彼はいつも浮世離れした思索に耽っていて、ふらりと旅に出てはまたふらりともどってくる。孤独と自由を最も愛する永遠の旅人となっているが、実はわがままで気紛れ、行き当りばったりのはみ出し者以外の何者でもない。当然こちらの都合などお構いなし。それでも、ちょっと見かけないと気がかりでもある。そんなスナフキンが、私の周りにも何人かいる。
詩を書く者も、ことばのホーボーであるといっていいかも知れない。(「あとがき」より)
目次
I いとしのスナフキン
- 朝が 来ない
- いとしのスナフキン
- 褐色の夢
- 対峙するブルー
- 魚町界隈
- 深夜ニュースが聞こえてくる
- ウラギリモノ
- 記憶の中の樹
- 熱帯夜
- 窓のない部屋から
- 夢の内側
Ⅱ 魚の言葉で
- 夕暮れ時の台所
- 問い
- 通り過ぎるもの
- 葡萄の儀弍
- 夢の中
- ネギを刻む
- 祈りから 遠く
- 閉じない目
- 遺書・WILL
- 三人とも死んでしまった
- 魚の言葉で
あとがき
NDLで検索
Amazonで検索
日本の古本屋で検索
ヤフオクで検索