1979年5月、永田操により刊行された本多利通(1932~1989)の詩集。装幀は黒木郁朝。刊行時の著者は延岡市消防署勤務。
わたしは石に打たれて死ぬであろう
天に向く檜の黒い密林のうえを
わたしの眠りは白い鏡のように落ちて来る
鷹よ わたしの胸を破れ
詩人、渡辺修三が逝ってから半歳も過ぎた。彼の晩年を見まもっただけだが、その生涯のかなしみが僕のなかにも痛みとして残った。これが消えることはないだろう。この詩集に収めたものは主として「赤道」のほか、「土地」 「九州文学」 「詩学」 「詩と思想」などに発表したものである。これらの貧しさに歯ぎしりし、あらたな飢餓に目覚めるのみである。
(「あとがき」より)
目次
島葬
- 祝子川・稲妻
- 岩・鳶
- 峠
- 彗星と潮騒と
- 叫び
- 獅子になるとき
- Rain
- 岩
- 岩・回帰
- 谷間
- 火傷
- 九州詩人祭
- 岩・茜雲八重山のかなだ
- 渦状星雲のように
- 鳥葬
- 山館夢幻
- 鷹
- 火の枝
- 岩・怨歌
- 切株のように
狂雲
- 杙
- 日豊本線
- 狂雲
- 毛虫
- 酒狂之詩
- 祝子川・さざなみ
- 岩冠・谷間の六十二行
- 冬霜
- 梅花抄
あとがき