1991年11月、花神社から刊行された安西均の詩集。題字は篠田桃紅。
前詩集『チェーホフの猟銃』以後、ほぼ三年間に書き散らしたなかから拾ひ取った。
厳密な構成ではないが、巻初の約十篇は多少とも〈詩〉や〈言葉〉にかかはるもの、ついで身辺に取材した随想風のもの、最後に悼詩のたぐひを配列した。
全篇、古典的仮名づかひを用みたが、拗音・捉音は小文字にした。これは前からおこなってゐることであるが、まだ少しのためらひがつづいてある。なほ、漢字に新字体のあるものは、それに従った。
(「あとがき」より)
もくじ
- 詩ふたつ
- 遠雷
- 紅
- あら、たふと
- 花も実も 他二篇
- 羞恥
- 失禁
- 別れの礼法
- 詩人たちの朝
- 第一課
- 竹、わらふ
- 大根の花
- 蟻 二題
- 老いた指
- 森林よ
- 落葉
- liaison
- 雨龍(あまりょう)
- 北の刃
- 鮎
- 朝の散歩
- 晩夏
- 団栗のある朝
- 天の若水
- 梅干しの種
- 元旦労働の歌
- 魚づくし
- 狭い空席
- 風聞
- 山茶碗
- 鯉
- 詩人の旅
- 賢者、飛翔
- 置き忘れたステッキ
- 訪問者
あとがき