1987年9月、思潮社から刊行された河津聖恵の第1詩集。
詩を書く時の張られる感じが好きだ。 自分が日常の言葉で満たされないのは、無数の他人へ繋がりたいという欲求があるからだと思う。それは言葉からもやがて逸れていくカーヴかもしれない。詩という無形式の白紙をまえに、その衝動がこわばり波形(?)のまま凍りつくと、詩ができた。
やがて外から批評性というものもきて、この卵割期も過ぎるだろう。しかし生きるという体感はこのようなものでありつづけるにちがいない。
(「後記」より)
目次
- 秋のタンポポ
- 窓枠
- 姉の筆端
- 白球
- hot spot
- リザヴェータ様
- 地の顔
- 恋愛工事
- 巨茎
- ()
- 逆運
- シュタイナー・ブルー
- メルドルフの冬
- 心身論
- 停車位置
- 脱衣場
- 音
- 水晶夜
- ピアノ教室への路
- 昼と夜
- 神楽坂
- ゴムの犬
- 裏の菜の花