2016年10月、書肆子午線から刊行された近藤洋太(1949~)の評論集。装幀は佐々木陽介。
目次
第一章 詩の戦後
- 戦後詩の成立──『辻詩集』と「死の灰詩集」のあいだ
- 詩の断絶/詩の終焉
- 反「師系」の文学の系譜
- 私性と韻律
- 文転・離群・戦後 中村稔氏への手紙―『私の昭和史』(全五巻)を読んで
- 寺門仁──「遊女」の謎
- 古木春哉──古木春哉の死
- 宗左近──宗左近と戦争 宗左近への接近
- 秋山清──秋山清と直接行動
- 吉本隆明──吉本隆明の死
- 眞鍋呉夫──黙つて置いてゆきし若鮎 眞鍋先生を哭す 眞鍋呉夫の俳句 すべての表現は本歌取りでなければならない
- 辻井喬──辻井喬という謎 辻井喬の死
- 粟津則雄──粟津さんの眼力 言葉に感応する力
- 詩の戦後――宗左近/辻井喬/粟津則雄
第二章 われわれが踏み込みつつある世界 二〇〇三年─二〇一五年
- われわれが踏み込みつつある世界
- 詩人の系譜
- 死を見つめる眼差し
- 日常との調和 他者との異和
- 詩を書かないということ
- 詩の癒し 詩の力
- 詩はなにを祈るのだろう
- 人はなぜ哀しい生きものとして死ぬのか
- 今日の「遠いものの連結」
- はじめからそこにあった哀しみ
- わたしは孤独であり 孤独ではなかった
- 詩は予知する/大地も被災する
- 詩の経験
第三章 空瓶通信抄 震災前/震災後
- 退職の弁
- 活字が消える日
- わが朝鮮
- 天皇制に関する覚書
- 不特定多数・特定少数
- 尖閣諸島・延坪島、朝鮮高校授業料無償化問題
- 震災記
- 火急すみやかに原発依存から脱却せよ
- ふるさとは母います国
- 〈震災後〉という時代
覚書