思考の表裏  ポォル・ヴァレリイ、アンドレ・ブルトン、ポォル・エリュアル

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 1959年3月、昭森社から刊行されたヴァレリイ、ブルトン、エリュアールの詩論。編訳は堀口大學。臼井書房版(1942年)の新訳。

 

 ヴァレリイの『文学』Paul Valery : Litterature とブルトン、エリュアルの『ポエジイに関するノォト』Andre Breton et Paul Eluard・Notes pour la Poésie とを併せて読んでみると、之は実に面白いものである。後者は、一九二九年発行のシュウルレアリスムの機関誌"La Revolution Surréaliste"第十二号に出て居り、前者はそれ以前に発表されてある文章だ。
 僕がここに、こと新しくこれら二つの文章を対照的に訳出したのは、思考の逆真性に心をひかれたからである。ある一つの思考の裏側もまた立派な思考なのである。見られる通り『ポエジイに関するノォト』は、単にシュウルレアルな冗談には終ってゐずに、ちゃんとしたシュウルレアリスムの詩法を形成してゐる点に興味があるのである。
 この二つの文章は、もともとそれぞれ独立して別個に発表されたもので、一九三六年単行本になった『ポエジイに関するノォト』にさへ、この文章とヴァレリイの『文学』との関連には一言も言及してないのである。

 この二つの文章が、こんな形で対照的に提出されるのは、おそらく今度が最初のはずだ。
 編訳者は、この提出方法に興味を覚える。
(「編訳者の言葉」より)


目次

  • 序説
  • ポエジイ
  • 修辞学
  • 作者の側から・異説

編訳者の言葉


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