1981年10月、紫陽社から刊行された垂水千賀子の第2詩集。装幀は平岡雁、ADは芦澤泰偉。帯文は鮎川信夫。
かよわい花が、思いがけず、頑強である。内気な姿勢のままで、光る視線の矢をはね返し、緊迫した外圧に耐えている。そこに、どんな願いを込め ているのか、内部のおそろしい力が、異形の愛となって、そのスタイルの一つ一つをかたち造っていく。よくみれば、一茎の花であるのに、巫術のきわみで、ちょっとした儀礼の仕料が、鋼のような、まさかの花瓣となっている。空気も、人も、沈黙せざるを得ない。(鲇川信夫)
目次
- 低い日々
- 点、線、点
- 誰に責任がございましょう
- 行く、脳髄
- 返す白
- 納戸
- あなたの疲れは生きているか
- 「さわってくれ」と云われたが 黙って通り過ぎた
- 死者をくぐる
- 憂愁の箱
- 改め人
- 閉口
- 崩れ
- ひとが、
- 埋める
- さて 腰をおろそう
- 遠い城
- ケマステル