マラルメ先生のマザー・グース ステファヌ・マラルメ

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 1977年3月、晶文社から刊行されたマラルメ訳による「マザー・グース」。翻訳は長谷川四郎。イラストは柳生弦一郎。

 

 シャルル・トレネは歌った。詩人たちはとっくの昔に消えてしまったが彼らの歌は今も町中を流れている。だがまた忘れられた歌も多い。西条八十作詞の「お菓子の好きな巴里娘」もたぶんそういう歌の一つだろう。
 けれどもお菓子屋は依然として存在し職人はますます腕を磨き世界各国のお菓子を造ってくれるので私たちはエクレールをそれこそ「取る手おそしと」頬張って、ぶらぶらと街路を歩いてゆくことも出来るのだ。
 ついでに町角の本屋に立寄り『マラルメ先生のマザー・グース』をついふらふらと買ってしまうこともあるだろう。そうなればもうしめこの兎だ。きみが街路ばたのベンチに腰かけ買いたてほやほやの本を開き声に出して読むこともあり得ることとなる。
 本を開けばまずイギリスのわらべうたがあり。つづいてマラルメ先生の散文ありで縞模様をなしています。かの「鉄格子のコート着て」生きのいいゼブラに似てるかな。
(「はじめに」より)

 

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