1957年4月、光文社から刊行された北畠八穂の童話集。装画は桂ユキ子。第7回児童文学者協会児童文学賞受賞作品。
北畠八穂さんの目 細野菊
北畠さんのことを考えると、あの特徴のある目が浮かんでくる。会った人に、その持主のなみなみならぬ才分と意力をただちにさとらせる目だ。すばらしい天分をあたえられたかわり、健康の点でめぐまれていない。しかも、病身その他の不幸なんか、おしきって、ぐいぐいと積極的に生き、仕事をしておられる。この人の作品を読むと、私は「ぐちなんか言っていられないぞ。北畠さんにまけぬよう、しっかり生きてゆかねばならぬ。」と考えさせられる。
このまえ、「あくたれ童子ポコ」を読んだときも、私は、ひとりで笑ったり泣いたりしたものだが、こんどの「八人の赤ん坊」も、一気にたのしんで読んだ。北島さんの童話は、おとなにとっても、いろいろたのしく、また、ためになるものだ。ポコも、北畠さんも、ますます健在であれ。
目次
- コックリさまのクリ五合
- モジャのサイバン
- 心臓の音とお母アの声
- キツネか、お父ウか
- 町は化物屋敷
- 赤ん坊学校
- さずかった学校
- とっついた死神
- おらお母ア、死んだか、生きたか
- 湖の上あるきたい、じれったさ
- 見えたリュウ
- たまのたまの手紙
- ポコ少年隊長の探検
- ヒヤヒヤ、カッカッ、アッアッ
- 神さまの種
- ふしぎなことも、でかせばできる
- サルか大どろぼうか、一つ目小僧か
- どんづまりは、次へのとびら
- 文なし、バンザイ
あとがき