2013年5月、思潮社から刊行された稲川方人の評論集。著者自装。
目次
はじめに
- 生ける言葉と死す言葉
- いまこそ難解な虚構が求められなければならない
- 詩が書かれたことの記憶
- 吉岡実がいるということは……
- この死の「最後」に詩=史は明るく口を開いている
- 北村太郎『眠りの祈り』に寄せて 二〇一一年十二月
- ガラスと室内の人
- アルトーの鳥
- ばななの秘密
- ドゥルーズ/ゴダール
- 「私」は人として最低である
- 否定と希求の間に
- 「小説」を読む
- ざわめく書物
- なぜ彼は「物語」を書かずに「観念」を書くのか
- 耳で書く「賢者」の手紙
- 「俗界」への不断の視線
- 聴覚で「死」をさえ書く人
- 死者が詩を開き、生きる者は残る
- 自我―像から遠く離れる
- ゲロリラ
- 回帰線の向こうに、吉増剛造の「青春」がある
- GOZO-RESPECT
- 天文(アストロ)と中空(インター)
- ディレクション・ホーム
- 塹壕の底にある詩
- 言/文一致の人
- 言/文一致の人、追悼
- 届かぬ者へ
- 孤独、絶滅
- 廃墟と経済
- 過去、完了
- 命が聞いていた音
- 崩れて墜ちた、幾千の国
- 「詩集『吉田』に寄せて
- 緑色、悲劇の叙景
- 福井桂子の普遍命題
- 水に濡れた亡骸を、光のなかに
- 森の自転車と抒情詩の身体性
- 詩語はいま、罪(シン)なのか無罪(イノセント)なのか
- 書くこと、死すこと詩人・古賀忠昭について
- 『聖―歌章』の余白に
- 「世界」は個人の目的ではない
- 見知らぬ老人にまだまだ生きていてくれと祈ったこの夏は呆気なく終わった
- 詩と、人間の同意
- 「労働」は無の形態だと小室哲哉は言っている
- アシナガバチが巣を捨てた夏、私も住む家を探しながら、命の最期を正しく生きたわが猫のために泣いていた
- 郷里が避難区域になったら、俺はそこに戻って被曝しながら抵抗するよと、オーストラリアン・リトルホースに耳打ちした
終わりに