2002年6月、思潮社から刊行された支倉隆子の詩集。第18回詩歌文学館賞候補作品。
目次
- 1・夜の草にんげんの夜から 水銀のように
- 2・草の背・町 虫の背から草の背へ……夜に消える
- 3・草の背・庭 虫の背から草の背へ……後背の青いうねりと
- 4・草の隣 草の隣で虫が泣いている 青く細く隣りあわせて
- 5・新緑 永遠のランドセルから 新緑は繰りだして
- 6・草の身空 ……若いみそらで虫も泣け草はふえ
- 7・羊歯 甘い夜から 二つめの 廃駅
- 8・草動 雛鳥のように 草の脚は
- 9・犀の雫 静かな犀は犀の雫だ
- 10・燐 斜視の霧雨 アンモナイトをぬらし
- 1・草の声
- 2・草間
- 3・イリヤ・カバコフ
- 4・沿線の草
- 1・首長竜 夏の夕方は 首の長い毛もののかなしみ
- 2・鯛ノ浦 三月の風は スカートの奥から
- 3・春の舌 ぱふりと 巾広の 風
- 4・古い夏/小樽 運河は鰈みたいに終っていた
- 5・最果て 或る日 六畳間が 静かな花だった
- 6・廃線 水草のむこうに 線路は消え
- 7・鹿と水仙 新しい鹿はどこにいる
- 8・ユラ・水の不良 ゆ、ゆ、ゆ、遊園地の ふ、ふ、ふ、
- 9・アマリリス 細く。あをく。細く青く。
- 10・赤い雲 空の果てから赤い鮫が
身空xについて