1993年2月、新日本出版社から刊行された祖父江昭二(1927~2012)の評論集。カバー装画(木版)は村山知義。
目次
はじめに この本の意図と特徴と
第一章 「冬の時代」の堅氷を破ろうとした文学的いとなみ
第二章 文学における「小き旗上」――「労働文学」の芽生え
- 一 はじめに――宮嶋資夫と宮地嘉六
- 二 宮嶋の足どり
- 三 宮嶋の作品
- 四 宮地の足どり
- 五 宮地の作品
第三章 民衆への共感的なまなざしの成長――一九一〇年代から二〇年代初頭の知識人的な文学者における
第四章 「労働文学」の広がり――一〇年代後半から二〇年代初頭における
- 一 平沢計七の小説作品
- 二 序論的補注――そして『黒煙』について
- 三 新井紀一の作品
- 四 内藤辰雄・吉田金重・丹潔
- 五 加藤由蔵・諸根正一・片岡厚
第五章社会的な文学評論の諸相――『種蒔く人』生誕前後の
- 一 「小き旗上」に呼応する文学評論――平沢と西村
- 二 「民衆芸術論議」とその周辺――本間・安成・大杉・加藤・白鳥
- 三 「階級」の発見へのさまざまな径路――伊藤・秋田・藤井・中野(秀)・前田河・小川・宮地・宮嶋・有島・竹内
第六章 『種蒔く人』時代の小説――その同人の作品を中心に
- 一 はじめに――『種蒔く人』の位置
- 二 『種蒔く人』創刊同人の作品――今野賢三・金子洋文・山川亮
- 三 他の同人の作品――山田清三郎と前田河広一郎
- 四『種蒔く人』同人以外の作品――井東憲・岡下一郎・神近市子・千葉武郎・中野正人
第七章 文学運動の理論的根拠づけへの道――|『種蒔く人』時代の文学評論
- 一 「革命の芸術」と「芸術の革命」の統一的志向――『種蒔く人』生誕期における
- 二 平林初之輔と青野季吉の足どり――特に平林の位置づけについて
- 三 平林の文学評論(一)――主として『種蒔く人』時代の
- 四 青野の文学評論(一)――主として『種蒔く人』時代の
第八章 文学運動の再建と模索――『文芸戦線』生誕以降の文学評論
- 一 青野の文学評論(二)――運動再建期の
- 二 プロレタリア文学評論の諸相――運動再建期の
- 三 文学運動論の再構築――主として日本プロレタリア文芸聯盟の結成にかかわって
第九章 文学運動の分裂から統一へ――主として「ナップ」成立以前の文学評論
- 一 文学評論における「福本主義」――「目的意識」論を起点とする
- 二 分裂から統一へ
- 三 平林の文学評論(二)――分裂期からその死(一九三一)まで
- 四 青野の文学評論(三)――運動解体前後まで
第一〇章 ナップ・労芸には属さなかった文学者の作品――辻本浩太郎・広瀬川浩二・島田美彦・北村小松
あとがき