2013年9月、青娥書房から刊行された三井葉子(1936~2014)の詩集。装幀は司修。
もう、いいかなと思う。いえ、もうちょっとねと八十歳を目のまえして思う。ことばに寄り、離れ。五十年・六十年が過ぎた。一生、なアンにもしなかったナと思うわが春秋は、ことばと共寝。ふしぎな日々であった。詩集は多産ですねと言われながら二十数冊。ともあれ。先日数えると一週間に一作一ヶ月に三作というテンポでおおかた書きすすんでいる。いくら道連れがあると言ってもねえと思う。ことばがあるので怠けられたし、ことばが、さあて、と立ち上るので突破した。
(「あとがき」より)
目次
- 日の入り
- 猫
- ソラの鯉
- 猫 ゴンゴロ
- 参る
- 繋ぐ
- 京・六角堂
- 純情
- 三日月
- ドボン
- 鍋の豆
- 存在
- モーセの睡蓮
- 岸の柳の芽吹くいろ
- 五月は ちまき
- 花の続き
- 秋の湯
- 初恋
- 物語
- 待宵月
- 水湧く
- 影について
- あどけない いたずら
- 幼な
- 水に揺れ
あとがき