1986年10月、花神社から刊行された北森彩子(1926~)の第5詩集。第11回現代詩女流賞候補作品。
第四詩集を出してから五年たった。この間、長年暮した仙台から神奈川県内へ転居するなど大小の雑事に追われ、なかなか骨の折れる時期であった。ようやく落ちつきを取り戻して気がついてみると、日は大分、西に傾いてしまった。もう、ぼんやりしてはいられない。今はただ「いつまでも、どこまでも」詩を求めて歩き続けることができますようにと、願うばかりである。
(「あとがき」より)
目次
Ⅰ
- その頃<Ⅰ>絵の中の薔薇
- その頃<Ⅱ>楓の雨
- その頃<Ⅲ>桐の花
- 美しい五月になって
- ながい黄昏
- 六月の微笑
- ある思い出
- 夾竹桃の花蔭で
- ある夏
- 秋
- バラッド<Ⅰ>鏡よ鏡
- バラッド<Ⅱ>雪明り
Ⅱ
- 冬の手紙
- 雪の夜の旅
- 夜の琴
- 約束
- 山の彼方
- 暗い鏡
- 虎
- 土星の夜
- 砂と菫
- 誰も行ったことのない道
- 夢の魚
あとがき