1979年10月、牧羊社から刊行された菖蒲あやの第2句集。現代俳句女流シリーズⅡ16。シリーズ装幀は直木久蓉。
はじめての句集『路地』を出してからもう十年余りも経ってしまいました。その『路地』のあとがきで、貧乏臭い路地から抜け出たい、いつかは出て行けるかも知れないと言い、又いっそのこともっと路地深く入って行き、路地を克明に書き続けてみたいとも言ったのですが、振りかえって見てそのどれも果していない自分を見出だすだけである。十年一日のごとき自分、それゆゑ句集名も『あや』と致しました。句集上梓にあたりましては、お忙しい風三樓先生に重ねての御選句を煩わし、その上あたたかい御言葉を頂きました。本当に有難う存じます。
ただここで悲しいことは、今年二月、風生先生が御他界なされ、拙い句集ながら親しく御手にとって見て頂けないことです。思えばほんとうに永いく年月に亘り御指導いただいた風生先生でした。謹んで御霊前に捧げます。
(「あとがき」より)
目次
- 横手 昭和四十三年
- 奥三河 昭和四十四年
- 山中湖 昭和四十五年
- 軽井沢 昭和四十六年
- 桜島 昭和四十七年
- 水俣 昭和四十八年
- 能登 昭和四十九年
- 京都 昭和五十年
- 岡山 昭和五十一年
- 塩原 昭和五十二年
あとがき