2019年7月、空とぶキリン社から刊行された小柳玲子の第14詩集。装幀は倉本修。
私の最後の詩集になります。遺詩集というもの、作ってもらいたくないので、自分の目が確かなうちにこの詩集を纏めることに決心しました。一つの主題を突き詰めて纏めたものではありませんが、いつでも一心になにかを思い詰めているというほど、純粋な人間でもないので、これがありのままの私です。でも詩という世界は幼少の時から長い間、私を慰めてくれました。途中、何度か詩ばなれした時代はありましたが、結局長く住む世界はなく、三十歳を過ぎた、ある日ここへ戻ってきました。
(「あとがき」より)
目次
- 黒い家
- 夜回り
- 夢びと
- あの人
- シャラト パ
- 千畳敷の学舎
- 野仏おはす夏の果
- 北村太郎さんのこと
- 方舟
- 那珂太郎さん来る
- 沼の家
- 支路遺耕治の詩集に躓き
- 最後の『見えない飛行機』
- 見えない飛行機
- 二〇一四年秋 心中
- 『どんぐり』転々
- ロンゴ坂下駅
あとがき