1964年10月、横浜詩人会から刊行されたアンソロジー詩集。装幀・カットは鉄指公蔵。
このアンソロジイは題して《横浜詩集》と名づけられたが、それは、私たち横浜詩人会の会員の作品集であるという意味でしかない。
横浜詩人会は、横浜在住の、もしくは居住したことのある詩人たちの、ただそれだけの理由からなる親睦団体で、その組織は現在のところ、或る程度限られた範囲の集団であって、私たちが横浜の詩人の代表機関であるなどとは、もうとううぬぼれてはいない。
従って、このアンソロジイは、ことさらに横浜を取扱った作品を集めたものでもなく、また横浜の詩人を選抜したものでもないことは明らかである。しかし、私たちは、或る時代の横浜に、或る種の詩人たちが住み、或ることを考え、或る詩を作っていたことを記念するために、この《横浜詩集》を編んだことが、あながち無意義であるとは思っていない。
(「後記/近藤東」より)
目次
- 姉妹に―No 666~R94・秋元潔
- 寺の百姓・飯田六次
- MARCH ON WASHINGTON AUGUST 28,1963・井手文雄
- 神々・太陽・植木肖太郎
- 四十歳・寂しい人・十年・扇谷義男
- 長崎旅情・小奈晴夫
- 坂にて・街にて・筧槇二
- 石のように・掃く時・新しい町・片田芳子
- 砂のぬけがらの・その灰の・川口敏男
- 沼・けものみち・狼人・菊池正
- 口・顔・波・木村嘉長
- 老醜について・国籍・近藤東
- 勝海舟 明治は遠くなりにけり・小島信一
- 還・間・篠原あや
- 雪・猛禽・日記・島津公夫
- 雪の碑・雪の声・柴岡利夫
- 藤波のゆらぐ下で・十一面観音像・高見保太郎
- 貝・寒い牛・長島三芳
- 不眠の歌・座禅の歌・中川白杜
- 遊園地で・野沢郁郎
- 水中幻想・終り・瑣事・長谷川吉雄
- 貝・旅の記憶・平田好輝
- 詩人の弁証法・Migration・藤田三郎
- 手斧(ちょうな)・ドブロクスキーに・松永浩介
- 異邦人・禁猟区・南邦和
- 帰郷・遍歴・悪霊・村田春雄
- 枯葉・山田今次