1996年10月、私家版として刊行された小長谷静夫(1933~1990)の遺稿集。編集は実弟の小長谷清実と夫人の小長谷嘉子。装画は小長谷静夫、装幀は宮園洋。
平成二年に小長谷静夫が他界して六年になります。主人の散文をまとめることを始めようと決めたのは、去年の秋でした。ずっと心に懸かっていたのですが、一年延ばしにしておりました。
家に残されてある本や雑誌、新聞の切り抜きやコピーなどのほかに、どんなものをいつ、何処に発表しているのか、見当のつかないことも多く、心許ない思いでしたが、身勝手な依頼に大勢の方が暖かく応じて下さり、捜す手だてを教えて下さったり、お手持ちの資料を調べたり、貸して下さったりしたお陰で、考えていた以上に資料を集めることができました。
詩のお仲間、静岡女子商業学園や静岡精華学園の方々、静岡新聞社の方、高校や大学時代の御友人をはじめ、全く面識のない方々まで、お力を貸して下さいました。
杉山高之さんには御無理を願って跋文を頂くことができました。義弟の小長谷清実が編集の細部にわたって手を入れ、タイトルをつけてくれました。主人のエッチングを使うことをお願いして、百鬼界の宮園洋さんに造本をお任せいたしました。
小長谷静夫が生きた世界を分ち合う大勢の方々に励まされ、助けられて、この散文集が出来上がりましたこと、身に沁みて有難く思います。お世話になりました皆様に、心より厚く御礼申し上げます。
(「あとがき/小長谷嘉子」より)
目次
1エッセイ
- 随想
- 評伝
- 追悼
- 詩誌「鹿」後記
2評
- 書評
- 序文·跋文
- 展覽会評
- 選評
3創作
- 小説
- 童話
- 俳句
- 短歌
- 絵本
4学校関係
跋文に代えて
棒大なる針小と日々の跡地――詩人・小長谷静夫の美学 杉山高之
年譜
あとがき 小長谷嘉子