1977年4月、青磁社から刊行された鈴木好枝の第1詩集。
幼児の時風邪をこじらし、喘息になり、今日まで両親も、兄弟たちにも、共に苦しい思いをさせ、心配させて来ました。詩の中にもあるように十八歳の時からひどい発作が続き、それから五年間の闘病は、数冊の日記帖とその中に記された数編の詩の他は、空白に近い年月でした。両親・兄弟・友人たちにはげまされ、やっと生き続けることができた私です。
現在こうして少しずつ健康をとりもどし、詩集を編めることは、とてもうれしく、両親・兄弟・友人に第一番に報告したいと思います。
闘病中の詩としては、「神の失敗」「ベッド生活」「会えない出口」「錯覚」「壁」を、のせました。
息苦しい詩ばかりになってしまいましたが、東京の汚れた空の下で生れ育った私の、あがきのような訴えです。
(「あとがき」より)
目次
- ふいご
- 錯覚の世界
- 大切なものは……
- 私の喘息
- 壁
- ベッド生活
- 夜
- 会えない出口
- いえぬいのち
- 神の失敗
- あいつ
あとがき