1983年、書肆季節社から刊行された角田清文の評論集。装幀は政田岑生。
目次
Ⅰ 此岸への殉教――あるいは現象の多様性への愛
- 藍青研究――塚本邦雄論
- 情念の詩法―浜田到論
- 主語政政変のものがたり――山中智恵子の一首
- 詩人の使命と節操
- 流離の恍惚感の創造――地方性の逆説
- 日高てるへの手紙――詩集『カラス麦』
- 三井葉子への手紙――詩集『白昼』
- 窪田般弥への手紙――詩集『詩篇二十九』
- 酔ってあるく――大野新詩集『藁のひかり』
- 抒情の文法――一対一の詩法について
- ヒモつきの家出少女――相生葉留実いとしのひと
- 薄い玻璃の夢のひと――田辺美砂
- 残像――吉田修詩集『ヨブの耳』
- エトランゼ―山本利男詩集『母のことなど17の小品』
- 漂う浮標――外村文象詩集『異郷』
- 彩りの多い街――明珍昇詩集『夕陽の柩』
- 弓なりの魚――宮田恭子詩集『いま吹いてこようとする風の中にも』
- ふるさとの発見――安部寿子の作品「ふるさとは」
- 鎮魂二重奏――宗昇詩集『たまふりの歌』
- 日本の詩法とは何か
- プレスクの詩法――平井照敏論
- 入棺の父――平井照敏の一句
- 絶筆をめぐって――『鈴木ゆりを遺稿句集』
- 赤い靴下――原田昇の一首
- 回帰への渇望――引野収の一首
- オンリー・ワンの美学―――竹川禧子歌集『陶の首輪』
- 日本とは何か
- 復原力――市川幸三詩集『感傷』
- 澄明さの遠近法――以倉紘平詩集『二月のテーブル』
- 不倫の構造――河野泰子の作品「花雨」
- 緑色の目―中谷恭子の作品「犬」
- 叙情の論理――堂本智子の作品「風」
- 〈解き〉〈結び〉――丸山まゆみの作品「時間」
- 点と線との恋物語――岩田典子の作品「クォーツ・ディジタル時計」
- 限定を生きる――高木な行の作品「餅を焼く」
- 堕ちた天使――今井裕子の作品「祭」
- 殉教性をめぐって――小東加寿子の作品「ラッキョ」
- 点滅の小空間――松本昌子の作品「待つ」
- 詩の場所――綿貫千波の作品「自転車」
- 歩行をめぐって――吉崎みち江詩集『あさかぜそよふくころ』
- 肉の死の荒廃――『定本鷲巣繁男詩集』
- 平井照敏『ボンヌフォワ研究』
- 安西均『私の日本詩史ノート1』
- 懸鎖線の詩法――安西均論
Ⅱ 言語の自律性と聖性――あるいは自己放下
- 詩における〈聖なるもの〉――下根凡夫の言語論
- 事実性への着地の試み――那珂太郎詩集『はかた』
- 愛と修辞
- 意味への望郷――東川絹子の作品「さかさまさかさ」
- 固有名詞について
- わたしにとって詩とはなにか
- ナ行の詩人――三井葉子論――
Ⅲ 濁世の雨――あるいは詩壇的展望
- 老残的持統――原始林50号に寄す
- 拠点としての双林プリント――京都展望
- 資料・現代詩――京都展望
「あとがき」にかえて