ミロ 瀧口修造

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 1940年3月、アトリエ社から刊行された瀧口修造によるミロ入門書。西洋美術文庫第48巻。

 

 ジョアン・ミロについての纏まった畫集は、豫告されたことはあったが、いまだに公にされたことを聞かない。不思議だとさへ思ふ。さゝやかなものではあるが、怖らくは本書が最初の畫集になるかも知れない。
 しかし雜誌などに現れた彼に關する評は相當の數に達してゐるので、重要なものは出來るかぎり参照して書いたつもりである。ミロの畫歴に關する事實的な資料は、主としてクリスチアン・ゼルウォスに據つた。ミロをめぐるいろいろな言葉の引用は、この言葉のすくない畫家の鑑賞に煩はしいと思ふ人もあらう。しかしそれがミロに對するあなた方の純粋な影像をみだすやうなことがあつても、その責任の半分は、あなた方自身のものであるに違ひない。その半分はまさしく私にある。
(「あとがき」より)


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