2019年3月、書肆子午線から刊行された瀬戸夏子の散文集。
目次
すべてが可能なわたしの家で──まえがきのかわりに
Ⅰ エッセイ
- ジ・アナトミー・オブ・オブ・デニーズ
- 音たてて銀貨こぼれるごとく見ゆつぎつぎ水からあがる人たち/小島なお
- 「テーブル拭いてテーブルで寝る」(雪舟えま)のは?
- 〈有無〉、〈無無〉、〈有有〉
- 土星のリング
- 思い出ステーション
- 旅嫌いには、旅は心中にみえる
- 東京2020にも君が代ならば君のかかとの桃色がいいさ
- 瀬戸夏子を殺すいくつかの方法
- キャラクターだから支流も本流も(石田柊馬)
- 悪い夏の、アナイス・ニン
Ⅱ 評論
- 穂村弘という短歌史
- 私は見えない私はいない/美しい日本の(助詞の)ゆがみ(をこえて)
- 「手紙魔まみ、イッツ・ア・スモー・ワールド」、あるいはふたたび書き換えられた『手紙魔まみ、夏の引越し(ウサギ連れ)』の結末について
- 自選歌五首への批評
- 「愛」について語るときに「私」が語ること
- (ああ、…………よ、君死にたまふことなかれ、――歌は刃を握らせて、母を殺せとをしへしや、…………?)
- 巻頭言(『率』七号特集〈前衛短歌〉再考)
- 以後のきらめき─荻原裕幸論
- 序―我妻俊樹誌上歌集『足の踏み場、象の墓場』について
- 中井英夫・中城ふみ子往復書簡について
- 「率」三号フリーペーパーにおける「東西短歌会特集」に関する前書き
- 反=Loverschangefighters,cool―高柳蕗子『短歌の酵母』
- ヒエラルキーが存在するなら/としても
- man&poet
- 斉藤斎藤一首評
- 渡辺松男一首評
- 『京大短歌』十七号作品評
- 彼らと彼と彼らについて─『クズとブスとゲス』映画評
- 輝きの代価さえも美しいのなら、あなたたちは処刑に値するのかもしれない─小林エリカ著『彼女は鏡の中を覗きこむ』書評
Ⅲ インタビュー、ブックガイド、日記
- 瀬戸夏子ロングインタビュー
- わたしをつくった10冊
- ほとんど真夜中に書いた日記
- 20170507
Ⅳ 歌壇時評
- 第一回 このまずしいところから、遅れてやってきて
- 第二回 「死ね、オフィーリア、死ね(前)」
- 第三回 「死ね、オフィーリア、死ね(中)」
- 第四回 「死ね、オフィーリア、死ね(後)」
- 第五回 「人間」にとって「アイディア」とは何か
- 第六回 「わからない」というレッテルを剝がしてから
Ⅴ 作品
- 満月まで十五秒の階段にて
- 約束したばかりの第一歌集と星と菫のために
- わたしよりもアンネ・フランク(愛の処刑)
あとがき