雪間以後 松村武雄句集

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 2003年10月、同友館から刊行された松村武雄(1922~2001)の第3句集。遺稿集。編集は松村悦子。松村は詩人・北村太郎の双子の弟。

 

 春に入院、手術のあと退院して一旦は快方に向かい、句会にも顔を出すようになった松村でしたが、秋口に再発、再入院、そのまま年明けもまたず旅立ってしまいました。間もなく三周忌を迎えます。
 ほんとうに忙しく、せっかちな人だったと思います。石油会社在職時には松山、京都、高崎などと転勤を重ね、やっと今の市川に終の居を構えるまで、私もただ松村のあとを追いかけるだけの歳月でございました。
 でも、能村登四郎先生にめぐり合えて「沖」に入門したことが、松村にとってどんなに幸せだったことでしょうか...。その先生が逝去されたとき、手術後の衰えた身体に鞭打ってお葬儀に参列し、そのあと、がっくりと気落ちしたような状態でした。
 松村の通夜の折、林翔先生から寄せられた「弔辞」にそのことが記され、思わず胸が熱くなりました。
 死後、遺品の中からワープロ打ちの句稿が出て参りました。初めは年代順でしたが次第に季節別に整理され、題名も『雪間以後』と明記されていました。第二句集の『雪間』上梓から七年余り、本人も何とか第三集をと考えていたのでしょう、私にはひとことも話しませんでしたが――。
 このたび、松村と句縁の深い方々のご尽力で『雪間以後』が日の目を見ることになりました。ありがたいことでございます。泉下の松村もさぞ喜んでいることと存じます。
 故人に代り心からお礼申しあげます。
(「あとがき」より)

 
目次

  • 春――比良
  • 夏――足利
  • 秋――菊坂
  • 冬――鞍馬
  • 新年――鎌倉
  • 二〇〇一年春から冬――病窓

あとがき


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