1979年6月、思潮社から刊行された小松郁子の詩集。
『中庭にむかいて』を出してから五年たった。その五年の間心やさしくみまもっていて下さったひとびとにこの一冊の詩集を捧げさせていただきたいと思う。
『中庭にむかいて』にやさしいはげましのことばをよせて下さった辻一さんも本郷隆さんもこの五年の間になくなってしまわれた。この二人の方にも一冊のこの詩集を捧げさせていただきたいと思う。
(「あとがき」より)
目次
Ⅰ 蛇いちご―1970
- 蟻
- 麻裏草履
- 風呂
- 路
- 蛇いちご
Ⅱ 隣り村―1971~2
- 海
- 隣り村
- 竹の庭
- 蝙蝠
- 梔子の花
Ⅲ 薮―1973~4
- 縄
- 紅いろのきもののひと
- 浴衣
- 薮
- 白い足袋
- けもの
- 発端
Ⅳ 猫―1975
- 川のほとり
- 猫
- 蟋蟀
- 金木犀
- 川
Ⅴ 木―1976
- 木
- 上寺山
- 井戸
- 白い朝顔
Ⅵ 落葉―1977
- 蛍
- 桑畑
- 猫
- 落葉
- 鴉猫
Ⅶ 寺院―1978
- 夕顔
- 隣家
- 厩
- 鞴
- 喪服
- 石
- 寺院
あとがき