2017-06-18から1日間の記事一覧

夜明けの桃 稲葉真弓詩集

1991年9月、河出書房新社から発行された稲葉真弓(1950~2014)の第二詩集。 人が人に伝えるべきことはなんなのだろう。 あふれる活字の中に身を置きながら、しかしそれらは私が人に伝えたいこととは、あまりにも大きなへだたりがあるような気がする。 小さ…

部屋 最匠展子詩集

1977年11月、地球社から発行された最匠展子の第一詩集。 この、横穴式の住居から、濁った塵芥を運びだすために深夜私はエレベーターに乗る。地上に降りつくまでの箱の中の長い時間。かたちある身辺の夾雑物を、ゴミと一緒に詰めて捨ててゆく。年月の重なりの…

鮎川信夫詩集1945-1955 鮎川信夫詩集

1955年11月、荒地出版社から発行された鮎川信夫(1920~1986)の第一詩集。解説は北村太郎(1922~1992)。 目次 Ⅰ 死んだ男 もしも 明日があるなら 繋船ホテルの朝の歌 1948年 橋上の人 父の死 Ⅱ トルソについて 小さいマリの歌 なぜぼくの手が あなたの死…

ノノミ抄  庄司総一遺稿詩集

1962年3月、思潮社から発行された庄司総一(1906~1961)の遺稿詩集。 サンクチュアリということばには、聖所ということのほか避難所という意味がある。あるいは免罪区。その禁猟区にいはたくさんの鴨が飛んでいたが私はそれを射とうとはしなかった。猟銃で…

東京日記 リチャード・ブローティガン詩集

1992年9月、思潮社から発行されたリチャード・ブローティガン(1935~1984)の第11詩集。翻訳は福間健二(1949~)。原書は1978年の発行。2017年、平凡社から復刊された。 1976年5月から6月、日本に滞在したブローティガンは、日記をつけるようにこれらの詩…

影の威嚇 野沢啓詩集

1983年6月、れんが書房新社から発行された野沢啓(1949~)の第二詩集。 目次 Ⅰ 影の威嚇 物語 風景の来歴 空白の時代を、いま 未来都市 アウシュヴィッツ Ⅱ 夜は千の眼をもつという 夜の消息 夜の儀式 つかれる ブッキッシュな会話 みみず憑き 五月の一日 …

印象牧場 山下千江詩集

1954年5月、長谷川書房から発行された山下千江の第一詩集。序文は金子光晴と服部嘉香。 山下さんの詩集が出る。服部嘉香さんの愛弟子だ。 服部さんが保證して、山下さんの詩集を校正刷のままで見せてもらつたが、一通りよんでみて、たいへん面白いとおもつた…