2017-07-10から1日間の記事一覧

「月」そのほかの詩 入沢康夫詩集

1977年4月、思潮社から刊行された入沢康夫(1931~)の第10詩集。 目次 碑文 私は書く(ある校訂記録) かたうて座亜謙什と名乗った人への九連の散文詩(エスキス) 《やはらかい恐怖》 愛されない男の唄 冬(反記録) Mare Tenebrarum 薄明の中の中二階の思…

未生譚 守中高明詩集

1992年3月、思潮社から刊行された守中高明(1960~)の第2詩集。第3回歴程新鋭賞受賞。 目次 碑 血脈 肉 骨 古鏡 声 文字 灰 門 NDLで検索Amazonで検索日本の古本屋で検索ヤフオクで検索

昼顔 吉原幸子詩集

1973年4月、サンリオ出版から刊行された吉原幸子(1932~2002)の第4詩集。第4回高見順賞受賞作品。 これは前詩集「オンディーヌ」のあと、五年にわたる作品の一部である。 この時期、私は変った。かつて「詩は排泄だ」とうそぶいてゐた私も、やっと世界をそ…

九月派の歌 水芦光子詩集

1984年9月、北国出版社から刊行された水芦光子(1914~2003)の第二詩集。水芦は室生犀星の初女弟子。跋文は永瀬清子。 室生犀星という方はおそろしい方である。終戦よ奥年の昭和二十一年に上梓した私の詩集「雪かとおもふ」に、先生は序文をよせられたが、…

楽符の家族 清水昶詩集

1985年8月、思潮社から刊行された清水昶(1940~2011)の第14詩集。 風激し麦藁帽子両手からナイフと痩せる少年院 夏 異母姉妹 視姦の司祭とむつみあひ 股間の水曳く花瓶コスモス 春雷や かつて少女の耳愛す血を売らぬ青年たちの桜桃忌 目次 楽符の家族 花の…

恋人たち 高良留美子詩集

1973年2月、山梨シルクセンター出版部から刊行された高良留美子の第5詩集。 この本は、わたしのこれまでに出した詩集のうち、もっとも長い時間をかけてでき上ったものである。ごく初期に発想したものから最近のものまで、ほとんど二十年近くにわたっている。…

ヘンゼルとグレーテルの島 水野るり子詩集

1983年4月、現代企画室から刊行された水野るり子(1932~)の第1詩集。第34回H氏賞受賞。 私の中で睡っている一人の子どもが目をあける。その子どもはふしぎに思う。夢の中ではあんなに理路整然と一つの物語をかたりかけてきた存在感のある物たちが、光の中…

花と死王 中本道代詩集

2008年7月 思潮社から刊行された中本道代(1949~)の第6詩集。第18回丸山豊現代詩賞受賞。 目次 辺縁で 辺縁で 陽炎 残りの声 水の包み 交錯 高地の想像 貝の海 夢の家 奥の想い 高地の想像 森の中 松と身体 鯉 薄暮の色 犬 鳥 朝 カタラ 到来 死んだ海に …

妻の右舷 四元康祐詩集

2006年3月、集英社から刊行された四元康祐(1959~)の第6詩集。 これは愛妻詩集ではありません。ほとんど全篇に「妻」が登場しますが、だからと言って、この作品集を妻に捧げるなどと口走ろうものなら、生身の妻は鼻でせせら笑うか、虫の居所が悪ければ怒り…

夢のあいだ 安藤一郎詩集

1967年8月、思潮社から刊行された安藤一郎(1907~1972)の第9詩集。ポートレイトは高島誠。 ここ三、四年の作品を整理していると、自分の詩の中に、「夢」という語がかなり頻繁に出てくることに、私は気がついた。そこで、この詩集は、「夢のあいだ」という…

妖雪譜 山口哲夫詩集

1976年10月、書紀書林から刊行された山口哲夫(1946~1988)の第2詩集。 笛吹童子が一人いて、ポックリ丸首の電柱をつれ、シャツの胸はだけた雪男をひきつれて、山肌をゆく。背番号も郵便番号もないな。『妖雪譜』の響きをテープにいれると、不思議な残響が…

深尾須磨子ノート 武田隆子

1966年4月、木犀書房から発行された武田隆子(1901~2001)による深尾須磨子(1888~1974)の評伝。 深尾須磨子は厳しいものを持っていて、近づけない。それは詩精神なのでしょう。折りがあったら初期のことは中原綾子、生田花世、内山登美子、梅本育子、上…