2017-08-02から1日間の記事一覧

15歳の異常者 藤森安和詩集

1960年3月、荒地出版社から刊行された藤森安和(1940~)の第1詩集。現代詩新人賞受賞。 目次 十五歳の異常者 嘔吐 あら。かわいらしい顔。―イヤラシイ子ダヨ― 夜空の子 ガンバルノダ心臓よ。殺意だ。パンチだ。 「やっちまえ、やっちまえ」 笑うな。ぼくは…

無言の現在 詩の原理あるいは埴谷雄高論 菅谷規矩雄評論集

1970年5月、イザラ書房から刊行された菅谷規矩雄(1936~1989)の第2評論集。装幀は黒沢充夫。 この一冊の構成について、いくらか附記しておきたい。同人誌《凶区》に《詩の原理あるいは埴谷雄高論》を書きはじめたモティーフのひとつは、萩原朔太郎から埴谷雄…

浦伝い 詩型を旅する 飯島耕一詩集

2001年6月、思潮社から刊行された飯島耕一(1930~2013)の詩集。装幀は井原靖章。 この詩集は一九九四年に角川書店から出した『さえずりきこう』、九七年、不識書院刊の『猫と桃』に続く、九〇年を中心とする、いわゆる「定型論争」後の三つ目の詩集である…

ババ、バサラ、サラバ 小池昌代詩集

2008年1月、本阿弥書店から刊行された小池昌代(1959~)の第11詩集。 ババ、バサラ、サラバとは何だろう。現代詩を書いていると、唇が寒くなる。濁った音はあたたかい。唇の破裂と爆発を、そこに生じる摩擦熱を、寒いわたしは、求めていた。(「あとがき」…

遠くと近くで 菅原克巳詩集

1969年7月、東京出版センターから刊行された菅原克己(1911~1988)の第4詩集。 人はどんなにしても、その歩いてきた年以上には出ることができぬ、と誰かが言っていたが、ぼくの詩もごらんの通りの始末である、。だが、それにしても読みかえしてみると、もっ…

極私的現代詩入門 鈴木志郎康評論集

1975年8月、思潮社から刊行された鈴木志郎康(1935~)の第2評論集。装幀は赤瀬川原平(1937~2014)。 一九七三年と七四年に「現代詩手帖」に連載した文章を中心に、主として詩について書かれたものを集めたのが、この本である。一昨年、つまり七三年頃まで…