2017-08-13から1日間の記事一覧

飛びたたせなかったほうの蝶々 岬多可子詩集

2015年8月、書誌山田から刊行された岬多可子(1967~)の第5詩集。 目次 飛びたたせなかったほうの蝶々 蟻のあまさ 解体 島 夜のうちに かたまりというもの いつづけるひと 遺された夏 白い闇のほうへ 賦香紙 くすりくすらりすく けのものやら 夜の市 舌の件…

現代詩を読む 1976~1979 安藤元雄

1979年11月、小沢書店から刊行された安藤元雄(1934~)の評論集。挿画は高柳裕(1941~)。 目次 「詩人」と「作品」 現代の悲歌 静けさの魅力 戦後詩の位置づけ 様式と類型 二種類の時間 詩語の存在理由 発語における批評 「書く」と「読む」と 桃花の里へ…

現代俳句の軌跡 高柳重信評論集

1978年5月、永田書房から刊行された高柳重信(1923~1983)の第2評論集。 いわゆる新興俳句運動が壊滅してから、すでに四十年近い歳月が経過しようとしている。昭和十六年に上梓された富沢赤黄男の処女句集『天の狼』が、新興俳句運動の最後の打ち揚げ花火と…

バベルの塔 高柳重信評論集

1974年11月、永田書房から刊行された高柳重信(1923~1983)の第1評論集。 敗戦直後の混乱の中で、僕が初期の評論を盛んに書いていた頃から、すでに二十数年の歳月が過ぎていった。この間、さまざまに変化する俳壇の状況に応じて、そのつど、書き捨て同様に…

青空 吉増剛造詩集

1979年6月、河出書房新社から刊行された吉増剛造(1939~)の第8詩集。装幀は飯田義国(1923~2006)。 目次 関東バス40系統小茂根行 大井町で乗りかえて 田園都市線中延下神明 二月信濃川を渡って 旭川は鉄器の味がした 川崎臨港バス石油の道 四月熊野に雪…

勝野睦人遺稿詩集

1958年1月、思潮社から刊行された勝野陸人(1936~1957)の遺稿詩集。 目次 LA NATURE MORTE LA NATURE MORTE II 「哀しみ」は 抽出し ああ 或る日 穴 蠅 蠅 「こころは」 車輪 ぼくは マヌキャンによせて そのむかし 「憧れ」は 硝子戸 鐘楼 目覚めの少女 …

わが手に消えし霰 田中光子詩集

1970年7月、牧羊社から刊行された田中光子の第2詩集。序詩は伊東静雄(1906~1953)、序文は三島由紀夫(1925~1970)。田中は伊東の弟子。 田中光子さんは戦時中、築地明石町に住んでゐて、そこへまだ高校生の私が一度訪ねて行つたことがある。築地明石町と…

来歴 牟礼慶子詩集

1960年6月、世代社から刊行された牟礼慶子(1929~2012)の第1詩集。装幀は長尾みのる(1929~2016)。解説は鮎川信夫(1920~1986)。 牟礼さんの詩に、私が初めて接したのは、六、七年前のことであつたと思う。この詩集の第Ⅰ部に収められている「山羊」「…

路上のたましい 牟礼慶子

1992年10月、思潮社から刊行された牟礼慶子(1929~2012)による鮎川信夫(1920~1986)評伝。装幀は芦澤泰偉。 目次 路上のたましい 転生のたくらみ 「荒地」以前 「荒地」の原風景 同時代の遺産 何者でもない存在として 帰還 あわれな生命を養う場所 君の…

犬の時代 北村太郎詩集

1982年12月、書肆山田から刊行された北村太郎(1922~1992)の第11詩集。 目次 墓地の門 夏の手紙 青い首 一点として一面に a night of dog days パーネル、最後が大失敗 レッド・シー 氷川丸 天気図 ススキが風上へなびくような 固体のごとく 骸骨の足音 ND…

おわりの雪 北村太郎詩集

1977年9月、思潮社から刊行された北村太郎(1922~1992)の第5詩集。装幀は渋川育由。 目次 冬林 もどり梅雨 直喩のように アラベスク おわりの雪 死の死* 死の死** 習字 夢につづいて 夏の中心 空 蛸 死の死*** 死の死**** 秋霖 冬の目 きみの人…

北村太郎詩集 1947~1966 北村太郎詩集

1966年11月、思潮社から刊行された北村太郎(1922~1992)の第1詩集。装幀は粟津潔(1929~2009)。解説は鮎川信夫(1920~1986)。 北村太郎とはじめて知合いになったのは、一九三八年の十月頃だったらしい。十月十六日の日記に唐突に彼の名前が出てきてお…

歳月の量 岡井隆エッセイ集

1998年10月、雁書館から刊行された岡井隆(1928~)のエッセイ集。装幀は小紋潤(1947~)。 目次 私のめぐりの葉 一 岡と丘のあひだで 二 遺伝子の配列を読む 三 仕事・非仕事・反仕事 四 マジック・ボックス 五 記憶の老化について 六 古い患者たちの死 七…

水剥ぎ 中村登詩集

1982年7月、櫓人出版会から刊行された中村登(1951~2013)の第一詩集。装幀は秋山法子。栞解説は鈴木志郎康(1935~)とねじめ正一(1948~)。 目次 水剥ぎ 魚族 夜釣りの唄 切りつめズボン少年の夏は河口へ 釣魚迷(つりきちがい) 台所は雨 湯上りに娘の…

ピューリファイ purify! 藤井貞和の詩 藤井貞和詩集

1984年8月、書肆山田から刊行された藤井貞和(1942~)の第3詩集。 ピューリファイとは、浄化せよ、とか、お掃除を! とかいう意味だけど、名誉やけがれを無にする浄化槽じゃんまい。名誉も、けがれも、もっと純化してみたい、という思いのほうが強い。この…

金色の網 木坂涼詩集

1996年6月、思潮社から刊行された木坂涼(1958~)の第5詩集。 目次 春 いっしょに 区画整理 三月の二時 競り合い むこうから 豚 インク 夏 考えごと 失業 告知 夏の姿 準備体操 風 虹 秋 二重奏 角度 栞 秋の砂 腕まくり 新聞 夢の縮小 冬 点灯 夜 ちきゅう…

わすれる月の輪熊 片山令子

1981年7月、村松書館から刊行された片山令子(1949~)の短編小説集。装幀は片山健(1940~)。 目次 にしき鯉のひとり わすれる月の輪熊 紅水晶 翡翠 草の国 焔 瑠璃 砂州 歪形の真珠 NDLで検索Amazonで検索日本の古本屋で検索ヤフオクで検索

不帰郷 黒田喜夫詩集

1979年4月、思潮社から刊行された黒田喜夫(1926~1984)の第4詩集。挿画は若林奮(1936~2003)、装幀は田辺輝男。 《言葉》のあとに――あとがきに代えて 言葉なき原野 そしてそこからの幻野言葉なく原野はわが故郷でありしかも現(うつつ)になにごとか悶え…

象 川崎洋詩集

1976年8月、思潮社から刊行された川崎洋(1930~2004)の第4詩集。装幀は田辺輝男。 一九七一年十二月に出した詩集「祝婚歌」以降一九七六年七月までに、新聞、雑誌「櫂」などに発表した詩作品を集めて、一冊の詩集として出して頂けることになった。思潮社の…