2017-01-01から1年間の記事一覧

入沢康夫の詩の世界 野村喜和夫・城戸朱理編

1998年4月、邑書林から刊行された入沢康夫(1931~)作品の解説書。装幀は島田牙城。編集は『入沢康夫の詩の世界』刊行委員会。編者代表は野村喜和夫と城戸朱理。 ここにようやく、『入沢康夫の詩の世界』を公刊する運びとなりました。といいますのも、当初…

詩論+続詩論+想像力 小野十三郎

2008年10月、思潮ライブラリー・名著名詩選の1冊として復刊された小野十三郎(1903~1996)の詩論集。定本は1962年版。附録栞は、金時鐘「私の出会った人々」、冨岡多恵子「小野十三郎の死」、倉橋健一「小野十三郎管見」、寺島珠雄「『詩論+続詩論+想像力…

悪魔と天使の間 池田みち子

1961年3月、東方社から刊行された池田みち子(1910~2008)の長編小説。装幀は須田壽(1906~2005)。 NDLで検索するAmazonで検索する日本の古本屋で検索するヤフオクで検索する

実視連星 荒川洋治詩集

2009年5月、思潮社から刊行された荒川洋治(1949~)の第19詩集。 目次 船がつくる波 三六度 度量衡 彦太郎 初恋 梨の穴 映写機の雲 イリフ、ペトロフの火花 白い色彩 プリント 酒 万能膏 駒留 干し草たばね人 水牛の皮 山塊 実視連星 編み笠 NDLで検索するA…

ブリュッケ〈橋〉 川村りつ子詩集

1995年12月、西田書店から刊行された川村りつ子(1955~)の第2詩集。カバーデザインは前川眞理子。 この詩集の標題「ブリュッケ」とはドイツ語の〈橋〉のことで、幾世紀も経て現存している石造りの、人が渡る上では壊れることのない頑強な橋のことである。…

六月の光、九月の椅子 吉田文憲詩集

2006年7月、思潮社から刊行された吉田文憲(1947~)の第8詩集。装幀・挿画は福山知佐子。 目次 Ⅰ 祈り 言葉が薄い羽音を鳴らした 立ち去ったものの息にふれて (あなたの)、文字の瞳が、うれしい 九月の椅子 ……ただこの影を通過させようとして、この夜に* …

馬込の家 室生犀星断章  伊藤人誉

2005年5月、龜鳴屋から刊行された伊藤人誉(1913~2009)の随筆。戦前戦後、馬込の室生犀星宅を留守番していた時代の回想。表紙は前田良雄の手摺木版。画像は普及本。 フィクションにしか興味のなかった私が「馬込の家」に手を着ける気になったのは、室生朝…

こどもの朝 桜田佐

1957年7月、緑地社から刊行された桜田佐(1901~1960)の長篇童話。装幀は和田香苗、挿絵は都田和子。 目次 本のはじめに 坪田譲治 一 あかちゃんが生まれた 二 ひげのおじいさん 三 おにごっこ 四 ベビー服とたまご 五 かわいいおみやげ 六 家族会議 七 新…

かるそん HALF&HALF詩集

1993年1月、書肆季節社から復刻されたHALF&HALF(=金田弘&羊歯三郎)の詩集。元版は1963年1月FLORA植物園発行。栞附録は鈴木漠による「菫色のカルソン 水精(ニンフ)と羊飼は再び踊らず」。 NDLで検索する日本の古本屋で検索するヤフオクで検索する

spira mirabilis 河野道代詩集

1993年8月、書肆山田から刊行された河野道代(1952~)の詩集。装幀は菊地信義。画像は25部限定版。 目次 山上の窪地 考察者の一の生態 少しのなだら 感情の高み 考察者の二の生態 回想と現身 不意の領分 考察者の三の生態 比肩しえざる願い 風力の潜み 考察…

いのちの火影――北条民雄覚え書 光岡良二

1970年7月、新潮社から刊行された光岡良二(1911~1995)による北条民雄(1914~1937)の評伝。装幀は麻田鷹司。 目次 序 河盛好蔵 はじめに 少年の日 入院して来た北条 山羊小屋の片隅で 文学仲間 『間木老人』 二年目の夏 『いのちの初夜』 『猫料理』 二…

眠れる旅人 池井昌樹詩集

2008年9月、思潮社から刊行された池井昌樹(1953~)の詩集。第4回三好達治賞受賞作品。扉絵はアンリ・ルソー「眠れるボヘミア女」。 目次 カンナ 花影 花影弐 花影参 つゆ いたずら 暁闇 ふたり 弔辞 こんなこと 糧 故園黄昏 あぶらかだぶら 火と人 闇の噂 …

コザ 中の町ブルース 岸本マチ子詩集

1983年11月、花神社から刊行された岸本マチ子(1934~)の第4詩集。装幀は高麗隆彦。第17回小熊秀雄賞受賞作品。 いぜん紅葉を血のしたたるような色だと、思った事があった。故郷(ふるさと)の山の紅葉は美しい。全山燃えあがるような凄絶さに触れて、気も…

詩人の肖像 清水昶

1981年8月、思潮社から刊行された清水昶(1940~2011)による詩人インタビュー集。「現代詩手帖」1979年9月号から1980年11月号まで連載。写真は宮内勝、装幀は菊地信義。 それぞれの詩人諸氏の項の冒頭の作品は、恣意的に選んだ。年代的にもさまざまで、その…

デルタ 川口晴美詩集

1991年6月、思潮社から刊行された川口晴美(1962~)の第3詩集。表紙写真は林隆喜(1946~)。 たとえば貯水場の壁に沿って歩いているとき、終点の駅で地下鉄を降りるとき、ふいに肌から剥がれて尖っていってしまいそうな感覚を、あわてて言葉にすりかえるこ…

蒼白き巣窟 室生犀星

1920(大正9)年11月、新潮社から刊行された室生犀星(1889~1962)の短篇集。装幀は恩地孝四郎(1891~1955)。 目次 蒼白き巣窟 二本の毒草 泥濘の街裏にて 地下室と老人 魚と公園 西洋家具店 蒼ざめたる人と車 愛猫抄 海の僧院 NDLで検索日本の古本屋で検…

仕事机 中村地平

1941(昭和16)年3月、筑摩書房から刊行された中村地平(1908~1963)の随筆、評論集。装幀は三岸節子(1905~1999)。画像は裸本。 目次 仕事机 將棋隨筆 葬儀の朝 音のしれ者 海女 大虚など 夢遊病者 評論と雄辯 臺灣の高校生へ 兄の出征 戰歿の前後 日記…

櫛 藤井千鶴子

1959年12月、八雲書店から刊行された藤井千鶴子(1909~1991)の長編小説。第42回直木賞候補作。「明らかに文学作品だが直木賞には無関係と思った。」(源氏鶏太)」、「その描写から女性心理からひどく変っているところをとるが、やはりよみにくい。俳句を…

冠雪富士 池井昌樹詩集

2014年6月、思潮社から刊行された池井昌樹(1953~)の詩集。装幀は高貝弘也。第22回萩原朔太郎賞候補作品。 三十五年間勤続した本屋が閉業を迎える。二十六歳から半生以上を同じ本屋で働かせてもらえた。有難いことだった。しかし詩はそれよりも遙か以前、…

異界の祝祭劇 現代文学の21人 小笠原賢二

1986年11月、沖積舎から刊行された小笠原賢二(1946~)の第2著作集。 私は、週刊読書人編集部に勤めながら、記者として多くの文学者たちへの探訪記を書き続けてきた。そのうちの相当量は、四年前に刊行した『黒衣の文学誌』に収めたが、本書はその後、引き…

海と夜祭 斎藤恵子詩集

2011年7月。思潮社から刊行された斎藤恵子(1950~)の第4詩集。 目次 I海の見える町球形夏の家ぬうら山夢虫往来船日雪空影の犬 ⅡA4の柩坂みち鉄橋夜の母水風の夜機織小舟の女渦巻くもの女湯 子どもの悪夢 あとがきに代えて NDLで検索するAmazonで検索する

詩という場所 井上靖・高見順・野呂邦暢・村山槐多 瀬戸口宣司

2014年8月、風都舎から刊行された瀬戸口宣司(1945~)の第2評論集。 目次 井上靖の詩――詩と孤独と 美しさへの思い 揚がらぬ凧に 詩にみる哀しみ 井上靖と散文詩―『北国』の性格 詩への執念―井上靖の意識 「かりそめ、仮初、苟且」―詩集『傍観者』の孤独 高…

集光点 齋藤恵美子詩集

2012年10月、思潮社から刊行された齋藤恵美子(1960~)の第4詩集。挿画は清宮質文。第4回鮎川信夫賞候補作。 目次 居留地 屋台料理 フェイジョアーダ 岩石海岸 磯焼け D突堤 ノース・ドック テレーザ レギアン 宮益坂 アンコールピース 視線の写真 観念の壺…

自虐的終章 北村均詩集

1973年1月、炎社から刊行された北村均の第1詩集。挿画は新田稲美、装幀は三上雅弘。 目次 残り火 異邦人 学内風景 黒い系列 らんぷ 水晶の墓 どこへ 夜の夜のたゆたい 羞恥 秋 愛の言葉 自虐的終章 花言葉のフーガーあるいはブルースカイ喪失 花言葉のスケル…

フィズの降る町 吉沢巴詩集

1990年4月、白地社から刊行された吉沢巴(1956~)の第2詩集。装本は倉本修。附録栞は「ONとOFFの夢幻劇」(吉田文憲)。新鋭詩叢書10。 目次 Ⅰ 家 コカコーラ・クラシック フィズの降る町 テーブルの上に満月が流れていくのを発見した夜 惑星 売り物のない…

手紙のち雨 平田俊子詩集

2000年10月、思潮社から刊行された平田俊子(1955~)の第7詩集。装幀・装画は毛利一枝。 目次 タイトル会議 鳩パン 首 ちから 夜会草 日々遠のいていくポスト 尾行類 邪魔な朝 パーツ 水を運ぶ 心中屋 二個の旅 バス屋の娘 環七 鳩の一族 巡回歯医者 うわさ…

童笛を吹けども 室生犀星

1947年5月、弘文堂書房から刊行された室生犀星(1889~1962)の長編小説。アテネ文庫18。 「童笛を吹けども」はあたらしく書き下ろしたものである。作者は何を捉へようとして書き綴つたかは、自ら語るの後には肯つけるやうに思はれる。私は自分の文學的な生…

ぼくの現代詩入門 北村太郎

1982年7月、大和書房から刊行された北村太郎(1922~1992)の詩論集。装画は田中靖夫。装幀は菊地信義(1943~)。 詩の詩 若い読者に まず第一にたいせつなのは背すじをすっきり伸ばすことそうしなきゃ見えてこない詩の目 つぎに忘れてならないのは底なしの…

魂の行為 岡庭昇詩集

1971年7月、マニフェストから刊行された岡庭昇(1942~)の第2詩集。 この詩集に収めた作品は、第一詩集『声と冒険』の後、一九六四年から一九七一年にかけて、「詩学」「現代詩手帖」「ユリイカ」「マニフェスト」「三田文学」などに発表されたものである。…

台風孤児 出岡実詩集

1979年11月、国文社から刊行された出岡実(1929~2001)の第4詩集。著者自装。 目次 疼くもの 顔のない人形 古地図 挨拶 扁平足 爪 鼻 目脂 心臓 心臓をよこせ 骨 胃袋 耳 こうもり傘みつけた 空中ブランコ 問答 習慣 喉仏 肋骨 煙草に火を 爪の毒 歯型 指の…