2018-09-07から1日間の記事一覧

亡霊の言葉 怪奇推理小説  火野葦平

1958年7月、五月書房から刊行された火野葦平の短編集。装幀は滝平二郎。画像は裸本。 私は探偵小説が好きである。三十年ほども前、早稲田の学生であったころ、エドガア・アラン・ポオを耽読し、卒業論文にはポオを書くことにしていた。「シェアラザードの一…

夏の地名 倉田比羽子詩集

1988年8月、書肆山田から刊行された倉田比羽子(1946~)の第4詩集。装幀は加藤光太郎。 夜光虫の光。腕を組む人。光の滴。指を搦める人。集中する夜。固い肘掛け椅子に座って机のひろがりを探す。その砦のような水面。わたしの躰はどこへも届かないひとつの…