2020-02-21から1日間の記事一覧

海色の靴 水谷きく子歌集

2001年6月、至芸出版社から刊行された水谷きく子の第5歌集。 退職後、妹と暮すために神戸に移り住むことにしたのは、ほとんど衝動的に近かった。どうも私という人間はよく考えるということが出来ない性格なのかも知れない。そのかわり後悔することもあまりな…

E・Tのように 水谷きく子歌集

1992年7月、短歌公論社から刊行された水谷きく子の第4歌集。短詩形文学選集35。 目次 風の相聞 自我 たなばた祭 ファントムペイン 冬日 八雲琴 献体 五月の桜 星凍る 「おいとまします」 六月 面差し 小笠原諸島 木の瘤 春の誘い オカリナ ふたり 遠野行 木…

背のび白書 水谷きく子歌集

1988年1月、至芸出版社から刊行された水谷きく子の第3歌集。 寝たきりのお年寄りのお世話をしたいと、養育院に就職したのは、昭和四十五年、いまから十八年前です。その三ヶ月後に、ひとりのお年寄りの死に、初めて立ちあいました。高橋静子さんという色の白…

紙の飛行機 水谷きく子歌集

1982年6月、至芸出版社から刊行された水谷きく子の第2歌集。 この歌集の作品の或る部分は、『板橋区栄町』に重っている。その歌集が出たとき、私は丁度、朝日新聞に歌壇時評を書いていたので、とりあげて、特異な素材による歌集として、切実に歌われているこ…

怖ろしいニンフたち 村松武司詩集

1957年2月、同成社から刊行された村松武司(1924~1993)の第2詩集。 ぼくが昆虫ばかりを愛していた少年時代から、冬の兵隊として国境にいた時代までの精神が、当然、戦後に書かれたこの第一詩集の前提になっている。 少年時、京城の日韓書房でしばしば手に…

なだれる 園田てる子

1957年10月、虎書房から刊行された園田てる子(1926~1976)の長編小説。装幀は楢原祥太郎。 目次 魔の夜 別れても 美しき争い 誘惑の灯 こんなところに 妻であること 巣立つ人 もう一つの部屋 求愛と計算 かりそめの幸福 二つの盲点 嵐のくる日 愛の岐れ路 …